強制不妊手術 個人特定3033人 記録なしも救済検討

 
不妊手術を強制された人数(A)と個人特定の資料がある人数(B)

 旧優生保護法(昭和23~平成8年)下で障害者らに不妊手術が繰り返された問題で、厚生労働省は6日、自治体の記録で強制手術を受けた個人名が特定できたのは計3033人になったとの調査結果を与党ワーキングチーム(WT)に報告した。与党WTは来年の通常国会への提出に向け救済法案の作成を目指すが、記録が残っていない人も救済できる仕組みを検討するという。

 不妊手術は約2万5千人が受けたとされる。旧厚生省の資料では、そのうち本人同意のない強制手術が確認されているのは1万6475人。今回の調査で個人特定は2割弱にとどまり、全員救済は困難であることが判明した。

 調査結果によると、都道府県別で最も多かったのは宮城の900人で、次いで北海道830人、埼玉330人、千葉318人が多い。旧厚生省の記録よりも人数が多い自治体があったが、原因は不明という。20歳未満が849人で3割に上り、最年少は宮城の9歳とみられる。

 愛知では922人分、福岡では518人分の手術記録が見つかったが、個人名は特定できなかった。多くの資料は都道府県庁や保健所、公文書館で見つかった。複数の自治体で個人名が重複しているものもあるとみられ、10月末までに名簿を整理する。

 厚労省は4月、都道府県や保健所設置自治体に対し、保有する記録の有無と件数、個人が特定できる件数などを尋ねた。自治体を通じて、医療機関や福祉施設にある記録の照会も現在進行中で、さらに個人記録は増える見込みだ。

 旧法が平成8年に母体保護法に改正されて以降、20年以上が経過しており、資料は保管期限を過ぎて廃棄されたか、散逸しているとみられる。