『ジョジョ』など30年の“波紋”を振り返るッ! 荒木飛呂彦原画展  - 産経ニュース

『ジョジョ』など30年の“波紋”を振り返るッ! 荒木飛呂彦原画展 

「荒木飛呂彦原画展」の館内風景。描き下ろし作を含め多くの原画が並ぶ(c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
12枚の描き下ろし連作「裏切り者は常にいる」の前に立つ作者の荒木飛呂彦さん(c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
 漫画家、荒木飛呂彦(ひろひこ)さん(58)の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』の原画などを展示する展覧会が、東京都港区の国立新美術館で開催されている。王道かつ重厚なストーリー展開に加え、「ジョジョ立ち」と呼ばれるキャラクターのポーズなど独特の表現で読者の支持を集める同作。荒木さんが漫画界に投げかけてきた約30年の“波紋”を振り返ることのできる内容だ。(本間英士)
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 「『ジョジョ』の連載開始から(昨年で)30周年。(同展は)集大成です」
 6月の記者発表会で、荒木さんは笑顔でこう語った。国立の美術館で漫画家の個展が開催されるのは手塚治虫さんに続き2人目。現役の漫画家は初となる。
 同作は昭和62年、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載開始。第1部から連載中の8部まで、部ごとに主人公が代替わりしていく大河群像劇だ。少年漫画でありながら怪奇要素も織り交ぜたストーリーと独特の作画が人気を博し、累計発行部数は1億部を突破。同作に影響を受けた漫画家は多く、パリで個展が開催されるなど海外人気も高い。
 同展では原画約280点を展示。実力のあるキャラクターが登場したときなどに背後に描かれる「ドドドドドドド」などの独特な擬音や、「オラオラオラオラ!」「だが断る」などの印象的なセリフを原画とともに振り返ることができる。
 注目作は新たに描き下ろされた連作「裏切り者は常にいる」だ。縦2メートル、横1・2メートルの大型原画12枚に、第3部の主人公・空条承太郎(くうじょうじょうたろう)などの人気キャラが等身大の大きさで描かれている。荒木さんは「見ている私たちの世界とキャラクターの世界を、同じ空間にさせたかった」と狙いを明かす。
 現代美術家の小谷元彦さんらとのコラボレーション作品も展示。同館の真住貴子主任研究員は「荒木先生は長く愛される王道漫画を描く一方で、(独特の画風は)現代アートやファッションともコラボできる。漫画の可能性を新しい切り口で開いている」と意義を語る。このほか、荒木さんがミケランジェロなどの彫刻や洋画、洋楽から受けた影響を細かく解説するコーナーなど、見どころが多い。従来の「ジョジョ」ファンには懐かしく、これまで荒木ワールドに触れたことがない人には「ズキュウウゥン」と響くはずだ。
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 「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」は10月1日まで。火曜休館。完全日時指定制で、大人1600円。問い合わせはハローダイヤル(電)03・5777・8600。
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 ■ファン投票、1番人気は第5部「黄金の風」
 同展開催に合わせ実施されたファン向けアンケート「ジョジョサピエンス」によると、第1~8部まである同作の“1番人気”は第5部「黄金の風」(19.1%)だった。
 「黄金の風」の舞台はイタリア。ギャングスターに憧れる15歳の少年、ジョルノ・ジョバァーナの物語が描かれる。今年10月からはTOKYO MXなどでアニメ版が放送される。
 アンケートは7月5~26日にかけ、ウェブ上で実施。同作のファン(平均年齢24.9歳)から1万7000件超の回答があった。