学校でのタブレット端末整備など前年度比5割増 背景に新学習指導要領

 

 公立小中高校で児童生徒が使うタブレット端末など可動式コンピューターが平成29年度に約85万台となり、28年度比で5割増えたことが5日、文部科学省の整備状況調査(速報値)で分かった。コンピューター教室への固定式の整備が先行していたが、32年度からの新学習指導要領は全科目で活用を求めており、各教室に持ち運べる可動式の普及が加速したとみられる。

 文科省は公立学校のコンピューター整備状況を毎年3月に集計。29年度(30年3月)は可動式のタブレット端末やノート型のコンピューターが約85万台と、教育用の総台数約210万台の約4割を占めた。28年度は約57万台で、総台数約203万台の3割弱だった。

 新指導要領の内容を議論した中央教育審議会は、28年の答申で情報活用能力育成を重視。新指導要領が実施されると、国語で電子辞書を使ったり、音楽で自分の演奏を録音したりなど、コンピューターをいろいろな教室で使うことになる。

 仙台市教委は29年度からタブレット端末1校40台の配備を始め、新指導要領実施に向け小中など約190校計約8000台を整備する。担当者は「体育で動画を撮影して体の動きを確認することなどにも使う」と話す。

 東京都渋谷区教委は29年9月、小中学校の児童生徒全員にタブレット端末計約8000台を貸与し、家庭学習にも使えるようにした。

 文科省は29年12月、可動式の整備を各教委に通知。児童生徒3人に1台を目標としている。29年度は固定式も含め5.6人に1台で、一層の普及が見込まれる。このため、31年度予算の概算要求で、人工知能(AI)を使った学習サービスなどの開発・実証推進事業に7億円、英語アプリ普及事業に2.5億円を新規計上。ソフト面の整備も推進する方針だ。

【用語解説】学習指導要領

 児童生徒に教えなければならない最低限の内容などを示した教育課程の基準で、約10年ごとに改定される。教科書作成や内容の周知のため、告示から全面実施まで3~4年程度の期間が設けられる。平成29年3月に告示された小中学校の新学習指導要領は、小学校で32年度、中学で33年度から全面実施される。30年3月告示の高校用は、34年度新入生から順次、実施される。