第26回萩原朔太郎賞に中本道代さん「接吻」 - 産経ニュース

第26回萩原朔太郎賞に中本道代さん「接吻」

受賞した中本道代さん(前橋市提供)
受賞した中本道代さんの「接吻」=3日、前橋文化会館(糸魚川千尋撮影)
 優れた現代詩集に贈られる「第26回萩原朔太郎賞」(前橋市など主催)に、中本道代さんの「接吻」(思潮社)が決まり、選考委員で文芸評論家の三浦雅士さんや詩人の吉増剛造さんらが3日、前橋文学館で会見した。
 受賞作は全41編で構成され、中本さんの生涯が、鮮烈な言葉で表現されているという。選考委員を代表して会見した三浦さんは「植物的な感性で時代を捉えているところが、朔太郎の手法と響き合っている」と絶賛した。
 また、作品中の「ハイキング」という詩については、「原爆について書かれているが、政治的、社会的に取り上げようとしているのではなく、そういう体験を含んだ自分自身がどう生きてきたかを、植物を通して語っている」と高く評価した。
 中本さんは、広島県出身。京都大学卒業後、平成21年に「花と死王」で第18回丸山豊記念現代詩賞を受賞している。中本さんは「萩原朔太郎は私に詩の怖さと深さを教えてくれた詩人で、詩の書き始めから今日まで何度も立ち返り読んできた。(受賞は)この上ない喜びです」とコメントした。
 贈呈式は10月27日、前橋文学館で開かれる。
 前橋市は、同市出身で日本近代詩の礎を築いた朔太郎の業績を称え、平成4年に市制施行100周年を記念して同賞を制定。これまでに谷川俊太郎さんや荒川洋治さん、松浦寿輝さんらが選ばれている。