アイヌ出身の特高刑事が真相追う『凍てつく太陽』 葉真中顕(はまなかあき)著

書評
『凍てつく太陽』葉真中顕(はまなかあき)著

 昭和20年1月。北海道・室蘭で陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、軍需工場関係者2人が毒殺される。遺体発見現場の壁に残されていた血文字は〈ワガナハスルク ワガイカリヲシレ〉-。

 特高刑事でアイヌ出身の日崎が捜査に参画する中、工場関係者がまた殺害される。しかし、憲兵は“自害”で押し通し、日崎は「拷問王」の異名を持つ特高の先輩刑事から第1の殺人でぬれぎぬを着せられ網走刑務所に投獄される。

 憲兵の思惑とぬれぎぬの真相、そして「スルク」と名乗る犯人の正体…。日崎はどこまで迫れるか。登場人物の造形にも脱帽する。(幻冬舎・1800円+税)