【書評】タレント・優木まおみが読む『経済学者、待機児童ゼロに挑む』鈴木亘著 家族で読んでもらいたい - 産経ニュース

【書評】タレント・優木まおみが読む『経済学者、待機児童ゼロに挑む』鈴木亘著 家族で読んでもらいたい

『経済学者、待機児童ゼロに挑む』鈴木亘著(新潮社・1500円+税)
 著者は、3人の子供が待機児童になって苦しんだ経験があり、社会保障や社会福祉を研究する大学教授であり、さらに待機児童対策を担当する東京都顧問という、二重三重の当事者。リアルな体験に基づいて、日本の保育制度の問題点に切り込んでいきます。
 この問題、私にとっても他人事(ひとごと)ではなくて、長女はいきなり待機児童でした。時間制の幼児教室を利用して復帰したのですが、毎回違う先生にお願いすることが多く不安も感じました。1年後にやっと入れた東京都認証保育所(無認可保育園)は、小さいけれど素敵(すてき)な施設で、次女もそこでお世話になりました。
 ところが今春、すっかりあきらめていた公立の認可保育所から突然「入れます」と電話が。待ちに待っていたはずなのに、子供が先生方を大好きで「第2の家」みたいだったので迷ってしまい…。周囲から「断るなんてもったいない」と背中を押されて、4月から2人とも公立に通わせてもらっています。でも2年後に民営化で先生が全員替わるというので、また思案中。子供を安心して預けられる保育園があることが、どれほど大切なことか痛感しています。
 本書によると、待機児童問題の主因は、公費の使い方。たとえば0歳児を認可保育所で預かるとき、1人あたり月額38万円前後の税金が使われています。しかし、共働き世帯が多数派になった現代社会に求められているのは、子供を育てている方々全てに役立つ支援サービスだと記しています。
 さまざまな改革案が示されますが、目指すべきモデルは、利用者への直接補助(保育バウチャー)のある「東京都認証保育所」だというのは、初めから認可保育園に入れなかった立場としてはとても共感できました。
 フルタイムで働きたい人もいれば、子供との時間をあまり減らしたくない人も。どうしたらいいか、いろいろな意見があると思います。保活をママに任せっきりというパパがいたら、まず読んでもらい「こういう困難があるんだ」と家族で考えてもらいたい。そんな一冊でした。(新潮社・1500円+税)