もんじゅ廃炉、見通せず 相次ぐトラブルに地元不安 - 産経ニュース

もんじゅ廃炉、見通せず 相次ぐトラブルに地元不安

もんじゅの燃料取り扱い設備を操作する職員=午前10時30分、福井県敦賀市(代表撮影)
 予定から約1カ月遅れて本格的な廃炉作業が始まった高速増殖炉原型炉「もんじゅ」。燃料貯蔵設備と原子炉にある使用済み核燃料計530体を2022(平成34)年までに取り出すことが、日本原子力研究開発機構が担う廃炉の第1のハードルとなる。ただ、準備期間中に機器の不具合などトラブルが相次ぎ、国内初となる高速炉の廃炉は前途多難だ。
 機構などによると、30日に始まった作業では、燃料貯蔵設備にある燃料を遠隔操作で取り出し、付着した液体ナトリウムを洗い落とした上でステンレス製の長さ約4・5メートルの缶に封入し、水で満たした「燃料池」に移した。計画では1日1体のペースで処理し、年内に100体の移送を完了させる。定期検査を挟んで来年7月から原子炉容器内の燃料110体を貯蔵設備に移し、9月から燃料池への移送を開始する。
 燃料取り出しは一般の原発では日常的作業だが、ほとんど稼働しなかったもんじゅでは、平成23年に2本を取り出した実績があるだけだ。このため機構は当時の経験者を作業や指導に当たらせるなどしている。
 しかし、7月からの機能試験では、取り出し設備にナトリウムが付着して固まるなど不具合が相次ぎ発生。「安全に影響するものではない」(機構)ものの、原子力規制委員会の担当者は「事前に点検や交換をしておけば避けられたものがあり、対応も場当たり的」などと厳しい見方を示す。
 規制委は27年、トラブル続きだったもんじゅの運営主体を機構以外に変更するよう文部科学相に勧告した経緯がある。今年6月に行われた規制委と地元・福井県の首長との意見交換では「規制委からもんじゅ運転の資格がないと勧告された機構が、廃炉を安全に進められるのか」などと疑問の声が上がったが、地元の不安は解消されていないのが現状だ。
 また、取り出した使用済み燃料やナトリウムについて、政府は再処理のため県外に搬出することを決めているが、その処分方法などは文科省が福井県に「30年末までに検討する」と表明したものの、具体的には決まっていない。
 規制委の更田(ふけた)豊志委員長は29日の定例会見で、もんじゅの廃炉について「スケジュールありきでなく、安全性第一に作業に取り組んでほしい」と機構に要望した。国費1兆円をつぎ込んだもんじゅ。「夢の高速炉」の後始末には、厳しい視線が注がれている。