長野県が猛暑対策を本格検討 公立校へのエアコン設置、財源確保が課題

 

 今夏の記録的な猛暑を受け、公立学校施設へのエアコン設置をめぐり、長野県が本格的な対策に乗り出した。これまで2回にわたり、国に対して財政支援を要請するなどしている。全国平均比で県内のエアコン設置率を見ると、大幅に下回っているとの事情がある。先の知事選でも争点となった。一部の自治体では、小・中学校へのエアコン設置に向け、具体的な取り組みに着手しているが、財政力の格差が影を落とし、対応はまちまちなのが実情だ。財源をどう確保するのかが今後、最大の課題になりそうだ。(久保まりな)

2回、国に要望

 阿部守一知事は20、27両日、文部科学、総務両省をそれぞれ訪れ、公立学校施設へのエアコン設置について、財政支援を要請した。27日には、公立小・中学校を管轄する県市長会と県町村会とともに、菅義偉官房長官にも要望書を手渡した。

 要望書では、平成30年度当初予算で、国に求めたエアコン設置工事への補助事業(11件)が全て不採択になったと指摘。その上で、児童・生徒の健康を確保するため、エアコン設置が重要との認識を示し、補正予算での措置も含め、財政支援を行うよう求めた。

 阿部氏は会談終了後、記者団に対し、「菅氏からは『しっかり受け止めたい』との話しがあった」ことを明らかにした。県教委は「必要としているところに補助を出してほしい」と、国側の対応に期待を示している。

低いエアコン設置率

 文科省が実施した29年4月時点における冷房設備設置状況に関する調査によると、県内の公立学校で、パソコン教室などを含む全ての教室に設置されていた割合は、幼稚園だと14.7%、小・中学校は8.6%、高校13.7%、特別支援学校33.3%となっており、いずれも全国平均を大幅に下回った。特に、小・中学校への設置率は全国で5番目に低く、これ以下の道県は、北海道、青森、岩手、秋田だった。

 エアコンの設置が進まなかった背景には、設置費の負担問題がある。阿部氏が財政支援を積極的に国に求めているのも、このためだ。中信地域の市教委は「保護者らから寄せられた要望は、これまでもかなりある。だが、全教室に設置するには何億円もかかる」と話す。市町村財政の歳出に占める扶助費や人件費などの割合が高く、財源を捻出するのが困難というわけだ。

 実際、松本、小諸両市では今夏、扇風機や日よけ、ミストシャワーなどの備品を購入し、暑さをしのいでいる。

 ただ、深刻化する猛暑に対処するため、今後、一部の学校・教室へのエアコン設置に乗り出す自治体もある。松本市では、設置費の見積もりなど具体的な作業に着手するとしており、長野市でも設置する学校の優先順位をつけ、整備を進めるという。

 来年も猛暑に見舞われれば、児童・生徒は勉強に実が入らない。健康状態への懸念もある。でも予算は-。各自治体は、厳しい財政事情をにらみながら、知恵を絞る取り組みを余儀なくされている。