夏休み明け自殺防げ NPOなどが相談窓口 居場所、学校以外にも - 産経ニュース

夏休み明け自殺防げ NPOなどが相談窓口 居場所、学校以外にも

 夏休みが明ける前後に急増する子供の自殺を防ごうと、無理に登校させず、学校以外に駆け込める居場所を提供しようという取り組みが広がっている。フリースクールやNPO法人は、駆け込み場所の提供や、インターネットを活用した相談窓口の設置などを行っている。今年も子供の自殺とみられる事案は相次いでおり、27日には栃木県小山市で高校2年の男子生徒(16)が電車にはねられ死亡。28日には同県足利市で高校3年の男子生徒が橋から飛び降り死亡している。
 「夏休みが明けるのが怖かった。『学校に行かなくちゃいけない』と追い詰められていた」。東京都内のフリースクールに通う中学3年の少女(15)は明かす。幼い頃から人付き合いが苦手で、通っていた地元の公立中は休みがちに。夏休みが残り少なくなると重荷は増し、家出や自傷行為に走った。
 加えて負担になったのは、同級生らの“心配”だったという。自宅を訪れ「2学期は来られるの?」と尋ねられ、「辛い」と説明しても「それでも何とか来てよ」と迫る姿に怖ささえ感じた。
 少女はその後、地元の中学への通学をやめてフリースクールへ。「学校以外にも、大人に成長できる世界がある」と気づいたことで立ち直った。「あのまま無理に学校に行っていたらどうなっていたか」
 内閣府の自殺対策白書(平成27年)によると、過去40年間で18歳以下が自殺した日付は9月1日が131人と最多だった。また、国の自殺総合対策推進センターの統計では、中学生は8月31日~9月2日がワースト3を占めている。
 なぜ、この時期に追い詰められるのか。不登校経験者で20年前から「不登校新聞」を作っている石井志昂(しこう)さん(36)によると、長期休暇明けは席替えなど人間関係が微妙に変わるため、多感な子供には少なからず影響を与える。石井さんは「さらに学校が唯一といっていい世界だった場合、そこが辛いなら死という世界に逃げた方がまだ楽、と追い詰められてしまう」と分析。「学校以外の世界に気付かせるため居場所を増やすことが重要」と説く。
 NPO法人東京シューレ(東京都)は「駆け込み場所」として毎年この時期にフリースクールを開放。29日も「2学期が怖い。苦しい。行ってもいいですか」と助けを求める中学生からの電話があった。
 実際の駆け込み場所は都内のほか千葉県内など計4カ所に設け、ダンスやギターなどの音楽、漫画も含めた読書、プログラミングなど幅広く体験できる内容をそろえている。奥地圭子理事長(78)は「話をしたい子からはじっくり聞いて支援にもつなげる。苦しさがはき出せて孤立しない居場所にしたい」と話す。
 NPO法人「ストップいじめ!ナビ」(東京都)の須永祐慈副代表(39)は「自殺防止に必要なのはつながり。周囲の気付きが大事で親や学校以外にも悩みを聞いてくれる存在も重要になる」と話している。