文科省が宇宙ごみ除去技術確立へ6億円 31年度予算の概算要求 - 産経ニュース

文科省が宇宙ごみ除去技術確立へ6億円 31年度予算の概算要求

 文部科学省が平成31年度予算の概算要求で、役割を終えた人工衛星やロケットの破片などの「スペースデブリ(宇宙ごみ)」を除去する技術の開発に着手する予算として6億円を求める方針を固めたことが28日、分かった。宇宙ごみは人工衛星の安全運用などの妨げとなっており、日本が宇宙開発競争をリードするためにも除去技術の確立を急ぐ考えだ。
 宇宙ごみの除去技術を開発するのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)。31年度に宇宙ごみに接近して状態を確認するための実証機の開発に着手する。6億円は開発資金の一部に充てる方針だ。
 その後は、宇宙ごみを捕獲する技術や、大気圏に落として燃やすために軌道を変える技術などの開発を進めるという。2020年代半ばまでに除去技術を確立することを目指す。
 宇宙ごみは年々増え続けており、今年8月時点では1ミリ以上のものは1億個以上もあるとされる。JAXAによると、衝突すると衛星などの宇宙機に壊滅的な被害を与えるといい、宇宙開発の妨げとなっている。
 特に地球観測衛星が多い低軌道に多く存在し、除去技術の確立は急務だ。政府関係者は「衛星利用測位システム(GPS)など、宇宙には日常生活に溶け込んでいるインフラがある。宇宙ごみが増えると衛星が上げられなくなり、生活水準が下がることも想定される」と指摘する。
 宇宙ごみの除去技術をめぐっては、世界的に開発競争が過熱している。
 政府関係者は「日本が初めて技術を確立すれば、技術力という国の強さを示せる。需要を先取りできればビジネス面でもメリットは大きい」と強調している。