【評伝 さくらももこさん】冷めた目線でクスリとした笑い - 産経ニュース

【評伝 さくらももこさん】冷めた目線でクスリとした笑い

「ちびまる子ちゃん」の第1巻
さくらももこさんのオフィシャルブログに掲載された死去のお知らせ(提供写真)
アニメ版「ちびまる子ちゃん」の主人公、まる子 (c)さくらプロダクション/日本アニメーション
漫画「ちびまる子ちゃん」の主人公、まる子 (c)M.S
 クスリとした笑いや独特の脱力感でお茶の間を楽しませる国民的テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」の原作者、さくらももこさんが53歳の若さで亡くなった。
 さくらさんは短大在学中に漫画家デビュー。高校時代には漫画誌「りぼん」に恋愛など正統派の少女漫画を投稿していたこともあったが、残念ながら絵が下手…。高校時代に書いたエッセーが「清少納言みたい」とほめられた経験から、コミックエッセーへと方向転換する。
 自身をモデルに描き始めた「ちびまる子ちゃん」は人気作品に。いち早く目を付けたフジテレビが平成2年にアニメ化すると、社会的ブームを巻き起こした。特徴は、主人公のまる子が自分の本音をつぶやく「冷めた視線」のおもしろさ。今時の子供は何を考えているのか分からない…という大人の戸惑いにもうまく応え、幅広い世代の心をつかんだ。
 日曜日の夜は「ちびまる子ちゃん」と「サザエさん」の放送を続けて見ることで、くしくも昭和の家族像の変遷を眺めることになった。山口百恵さん、西城秀樹さん、山本リンダさんら著名人の話題をうまく取り込み、昭和の思い出を平成につなぐ作品でもあった。ノスタルジックでいて温かく、かつ冷めた感性も同居する希有(けう)な創作者だった。(村島有紀)