社会人学び直し活性化 AIなど最新技術、大学の実務型講座 文科省、教員育成に18億円計上へ - 産経ニュース

社会人学び直し活性化 AIなど最新技術、大学の実務型講座 文科省、教員育成に18億円計上へ

 文部科学省が来年度予算の概算要求で、大学の社会人向け講座の拡充策として、人工知能(AI)分野などの最新技術を教える実務家教員の育成支援に約18億円を盛り込むことが27日、分かった。新規事業として育成プログラムを開発する大学に補助金を出す。
 社会人の大学などでの学び直しは「リカレント教育」とも呼ばれ、国が受講費用の一部を助成するなどして後押し。ただ、「実践的な講座が少ない」などの理由から受講の動きが伸び悩んでいる。
 今年6月にリカレント教育の拡充が閣議決定されたのを受け、文科省は最前線で活躍する技術者らによる実務型講座を増やすことで受け皿を整備し、女性の復職支援のほか、18歳人口の減少に伴う大学の定員割れの深刻化に歯止めをかける狙いもあるようだ。
 新規事業の概要は、実務家教員育成に関するプログラムを開発・実施する大学を支援し、専門プログラムを修了した実務家を人材バンクに登録し大学などに推薦する仕組みを構築する-ことが柱。育成した実務家教員の地方大学への派遣支援も検討する。
 実務家教員はAI、センサー、ロボット、経営管理、農業技術、看護、保育など社会的ニーズが高い約20の分野での育成を想定。複数年で数千人規模の教員育成を目指す。
 文科省専門教育課の担当者は「実務家教員の育成では、人材を出す企業側の理解が不可欠。協力をお願いしたい」と話している。
 専修学校での社会人を対象とした教育プログラム開発も補助し、来年度の概算要求に約5億円を計上。社会人らが学ぶ放送大学についてもデータサイエンス分野など実務型講座を含む映像コンテンツを増やし、リカレント教育の拡充を目指す。
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【用語解説】リカレント教育
 社会人になっても大学などの教育機関で知識や技術などを学び直すこと。1970年代に経済協力開発機構(OECD)が生涯学習構想の実現に向け提唱した。英語の《recurrent》には回帰や循環の意味がある。