重力波装置「かぐら」の心臓部が完成 東大宇宙線研、来年秋から観測

科学
サファイア製の鏡

 東京大宇宙線研究所の重力波観測施設「かぐら」(岐阜県飛騨市)で使うサファイア製の鏡が完成し、公開された。観測の鍵を握る重要部品で、今年度中に設置し、来年秋からブラックホールの合体などで放出される重力波の観測を開始する。

 公開された鏡は直径22センチ、厚さ15センチの円筒形で、重さは23キロ。人工的に作ったサファイアの塊を研磨するなどして完成した。かぐらで使う4枚のサファイア鏡のうち最後の1枚で、価格は約5000万円。

 かぐらは地下にある一辺3キロのL字形の巨大実験装置。2枚一組で設置したサファイア鏡の間でレーザー光を反射させ続け、重力波で生じる極めて小さな空間のゆがみをとらえる。サファイア鏡は極低温に冷やすと表面の振動が減少するため、精密な観測に適している。

 計画を進める同研究所の大橋正健教授は「ようやく全ての鏡がそろい、(観測計画は)8合目まできた」と話す。