【マンスリー囲碁】張栩九段、9期ぶり名人戦へ - 産経ニュース

【マンスリー囲碁】張栩九段、9期ぶり名人戦へ

張栩九段はリーグ戦全勝で、名人戦七番勝負出場を決めた
 第43期名人戦七番勝負が28日に開幕する。
 碁聖失冠で七大タイトル独占が崩れた井山裕太名人(29)にとって、今度の挑戦者も難敵だ。大舞台で何度も死闘を演じ、名人4期などタイトル獲得39期の張栩(ちょう・う)九段(38)が、9期ぶりの名人戦で雪辱を期す。
 昨年12月に始まり9人が総当たりするリーグ戦を、8戦全勝で突破した張九段。7月19日の黄翊祖(こう・いそ)八段との対戦で7勝目をあげ、最終局を待たずに挑戦権を獲得した際には「7連勝するとは、誰も思わなかったでしょう」と笑みを浮かべ、「久しぶりのタイトル戦…。ずっと出たいと思っていました」と胸の内を明かした。
 平成15年に本因坊を奪取した張九段は以降、七大タイトル戦の常連。21年の十段奪取で囲碁界初の五冠保持者になるなど、一時代を築いた。
 しかし、井山の台頭で状況は一変し、タイトル戦初対決となった20年の名人戦(第33期)こそ、井山の挑戦を退けたものの、翌年の同戦で敗れ五冠の一角を崩された。23年の十段戦、25年の棋聖戦も井山に奪われ、ついに無冠に。当時六冠となった井山とは、完全に立場が逆転した。
 2人がタイトル戦で対局するのは、今回で9回目。過去6度制している井山名人は「対局して、最も刺激を受ける棋士の一人」と、尊敬の念をもつ。一方の張九段は、タイトル戦での対決に「ちょっと恐怖感があります」としながら「勝つことで、囲碁界を盛り上げたい」と久々のタイトル奪還に虎視眈々(たんたん)だ。
 羽根直樹九段(42)、高尾紳路九段(41)、山下敬吾九段(39)とともに「平成四天王」と呼ばれた張九段が、平成のうちに登場する最後のタイトル戦。どんな戦いになるか…。(伊藤洋一)