介護疲れ、絵で癒やす 深刻な人材不足解消へ デザインスクール開始 魅力発信プロジェクト始まる

介護と福祉のこれから
デザインスクールの関東ブロック第1回プログラムであいさつするスタジオ・エルの山崎亮代表(右)=4日、東京都千代田区(川口良介撮影)

 介護・福祉の現場に対する「きつい」「汚い」「危険」「給料が安い」といったイメージを払拭し、仕事の魅力を発信する試みがスタートした。プロジェクト名は「これからの介護・福祉の仕事を考えるデザインスクール」。厚生労働省補助事業として行われ、深刻化する業界の人材不足を解消するための一助として期待が寄せられる。

 デザインスクールを主催するのは、街づくり事業などを展開する「スタジオ・エル」(大阪府吹田市)。全6回のプログラムで、今月~12月に全国8カ所で順次開講し、400人以上が参加する見通しだという。受講者は介護・福祉事業所へのインターンシップなどを通じ、現場が抱える問題を見つけて解決策を議論。アイデアを取りまとめ、来年3月に開催予定のイベントで発表する。

 全国に先駆けて今月4日に東京都内で開かれた関東ブロックの第1回プログラムでは、オリエンテーションや派遣先事業所のグループ分けを実施。介護・福祉従事者、クリエーターをはじめ、専門の知識や経験を持たない一般人も合わせて約80人が参加し、全体の約6割を20~30代の若年層で占めた。

 受講者の一人で都内の都市計画コンサルタント会社でデザイン業務に従事する松本彩華さん(28)は参加動機について、「宮崎市の実家で父が祖母の介護疲れでまいってしまっているが、遠方の私にできることは2人の絵を描いて元気づけてあげることくらい。介護に疲れている多くの人を支えるためにデザイナーとしてできることを見つけたい」と話した。

 スタジオ・エルの山崎亮代表(44)は受講者を前に「介護・福祉事業の人材確保は大きな課題。業界へのマイナスイメージがある一方で、従事者は働きがいを感じている。世間とのギャップを埋めるためには仕事の魅力を発信し続けることが大切。介護・福祉に関わりたいと思う人を増やすことが、デザインスクールの目指すところだ」と語りかけた。