歴代有数の人気とカリスマ、超大国にも毅然対応 アナン元事務総長 - 産経ニュース

歴代有数の人気とカリスマ、超大国にも毅然対応 アナン元事務総長

ニューヨークの国連本部でブッシュ米大統領(子・左)にあいさつするアナン国連事務総長=2003年9月(AP)
2006年9月、ハバナでキューバのカストロ国家評議会議長(右)と握手するアナン国連事務総長(AP)
2012年7月、シリアの首都ダマスカスで会談するアサド大統領(右)とアナン前国連事務総長(ロイター)
1998年2月、バグダッドでイラクのフセイン大統領(右)と会談するアナン国連事務総長(ロイター)
 【ニューヨーク=上塚真由】18日に死去した元国連事務総長のコフィ・アナン氏は、米中枢同時テロやイラク戦争に直面した難局の時代に難しいかじ取り役を担った。超大国にも毅然(きぜん)と立ち向かう姿勢は、国連の権威を復活させたとして評価される。
 国連職員出身者として初めて事務総長に上り詰め、歴代の中でも、人気とカリスマ性のある人物として知られた。国連の内部事情を知り尽くし、行政改革に邁進(まいしん)。2期10年の大きな功績の一つに挙げられるのは、地域紛争への取り組みだ。1990年代半ばに起きたルワンダ虐殺への反省などから、国際社会も「市民を保護する責任」があると提唱、紛争介入の必要性を積極的に訴えてきた。
 バランス感覚と強いリーダーシップを発揮する一方、単独行動主義に傾いたブッシュ(子)米政権との関係は悪化。イラク問題で一貫して戦争に反対し、2006年の事務総長退任の際には「最悪な経験」として、「イラク戦争を止められなかったこと」を挙げ、無念さをにじませた。
 04年にはイラクに対する国連の人道支援事業「石油・食料交換計画」をめぐる不正疑惑に長男の関与が取り沙汰されるなどしたが、欧州や中小国からの信頼は厚い。退任後もシリアやミャンマー問題などで奔走し、グテレス現事務総長は「コフィ・アナン氏は良識へと導いてくれる力だった。比類なき尊厳と決意で国連を新しい時代へと率いた」と功績をたたえた。