【view 写】熊本県「菊池渓谷」 渓谷に差し込む復興の光 - 産経ニュース

【view 写】熊本県「菊池渓谷」 渓谷に差し込む復興の光

早朝、光芒に照らされ、オレンジ色に染まる菊池渓谷。3年ぶりに絶景のシーズンが訪れた=熊本県菊池市
熊本地震から約1カ月半後の菊池渓谷。大量の岩や木が川を埋めていた=平成28年6月(保護管理協議会提供)
 月明かりを頼りに川沿いの遊歩道を歩くこと20分あまり。河原に下り、上流の見通しの良いポイントにたどり着いた。夜明けまで1時間以上あるが、既に5人ほどの“先客”が三脚を広げ、その時を待っていた。
 蝉(せみ)時雨が少しずつ大きくなってきた。夜明けが近い。いつの間にか、カメラの放列は20人ほどになっていた。朝日が木立の合間から顔を出した。「来たぞ」。居並ぶカメラマンから声が上がった。薄くオレンジ色に染まった無数の光の束が、川面に伸びた。
 7月から8月、木々からの蒸気や川霧に朝日が差し込み「光芒(こうぼう)」が見られることで有名な菊池渓谷(熊本県菊池市)。平成28年4月に発生した熊本地震で甚大な被害を受け、立ち入りが禁止されていた。再開したのは約2年たった今年3月24日。復興を成し遂げた渓谷は今、3年ぶりの光芒シーズンを迎えている。
 「もう、渓谷は終わったと思った」。地震から1週間後、渓谷内を見回った「菊池渓谷を美しくする保護管理協議会」の小川博哉さん(68)は述懐する。土砂崩れが至る場所で起き、川や遊歩道に大きな岩や木々が横たわっていた。湧水が水源の菊池川は、通常、雨が降っても2日ほどで清流の姿を取り戻す。だが、1週間たっても、水は茶色く濁ったままだった。
 遊歩道に重機を入れ、岩を砕いて運び出し、新たに手すりを設置するなどして再整備を行った。水は少しずつ透明度を取り戻した。
 地震で川に落ちた巨大な岩は現在も、そのまま残されている。「取り除くことは困難。そこにコケが生え、草木が芽吹き、また自然の一部になっていく」。小川さんは、そう考えている。(写真報道局 古厩正樹)
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