【環球異見・プラスチックごみ対策】主因はアジア、拙速は戒めよ フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ) - 産経ニュース

【環球異見・プラスチックごみ対策】主因はアジア、拙速は戒めよ フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)

プラスチックごみで汚れたインドネシア・バリ島の海岸=4月(ロイター)
 ドイツの南ドイツ新聞(電子版)は今月5日の論評で、欧州で加速するプラスチックごみ対策について「正しい方向への最初の一歩」と評価した。欧州連合(EU)の欧州委員会は5月下旬、ストローなど使い捨てプラスチック製品の一部流通禁止を含む新たな規則案を公表。ドイツの大手スーパーにも商品の取り扱いを見直す動きが出てきたのを受けた論評で、「さらなる動きが続かなければならない」と呼びかけた。
 ドイツでは以前から買い物袋の有料化が浸透するなど対策が進められてきたが、論評によると、それでも使用されるプラスチックの買い物袋は年間40億枚に上る。論評は「この例は日常生活からプラスチックごみを追放するのが、いかに大変かを示している」とし、「ストローが多少減ったところで、深刻なプラスチックの問題が解決されるわけでない」と訴える。
 このため論評は、使い捨てのプラスチック包装・容器の代替品を官民挙げて開発するなど、一段のプラスチック削減に取り組むべきだと強調。それが海洋汚染による「生態系の危機」を防ぐだけではなく、ごみ焼却に伴う大気汚染を減じ、「石油資源のムダな浪費」を抑えることにもつながると主張している。
 ただ、拙速な動きには慎重論もある。独紙フランクフルター・アルゲマイネはEUの新規則案発表の翌日の5月29日付の論評で、使い捨てプラスチック製品について、大気汚染の原因として規制強化の声が高まるディーゼル・エンジン車同様に「頑固な欧州の環境保護家の非難の的にされた」と指摘。代替品を開発しても「より高価になったり、有害なものだったり」する可能性も否めないと冷静な議論を求めた。同紙は海洋に投棄されているプラスチックごみの大半は中国や東南アジアから排出されていることを踏まえ、「アジアのひどいごみ問題という主な原因が残る限り、ブリュッセル(EU)が動いて得るものはない」との見解も示した。(ベルリン 宮下日出男)