【第30期女流名人戦】準決勝第2局(下)好調な矢代が決勝進出 - 産経ニュース

【第30期女流名人戦】準決勝第2局(下)好調な矢代が決勝進出

第30期女流名人戦準決勝、奥田あや三段(左)ー矢代久美子六段
 黒 三 段 奥田 あや
 白 六 段 矢代久美子
 236手完、白中押し勝ち
 【101~236】持ち時間各3時間
 先番(黒)6目半コミ出し
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 NHK大河ドラマでは、囲碁のシーンが時々見られる。前作「おんな城主直虎」では特に多く、囲碁のドラマかと思うほど。指導に当たった棋士4人のひとり、奥田あや三段(29)は「俳優さんが慣れない囲碁シーンで、打つ場所が方々へ散ってしまうと大変なので、なるべく手順が覚えやすくなるよう心掛けました」と専門週刊紙に述べている。
 放映中の「西郷どん」でも、西郷隆盛の盟友だった大久保利通は、囲碁が大好きで強かったと伝えられている。いずれ大久保の囲碁シーンが見られそうだ。
 さて中盤戦に入った矢代久美子六段(41)対奥田三段戦。対戦成績は奥田の6勝1敗と偏っているのが、矢代にとっては気がかりか。
 白2は手堅い。矢代六段はこれで形勢は悪くないと判断したが、解説の楊嘉源九段は「白2では左辺白31が非常に大きい。次いで黒30、白26、黒100、白Aが予想され、白は地合で優勢です」と断言した。
 奥田三段はすかさず左辺黒15へ先着。地合の差が一気に縮まった。続く白18のツケに黒19ハネダシが厳しい反撃で、白26までは一本道。ここでわずか2分の考慮で黒27と白の眼を取りにいった作戦が、裏目に出た。
 「黒27では参考図、黒1から白6と白を生かして、続いて黒7以下13まで、中央を厚くする手順が冷静でした」と解説者。この進行ならお互いにいい勝負で、難しいヨセ勝負になりそうだ。
 白は38のトビに回って、捕まりそうもない形になった。奥田三段は上辺黒63オキから65とコウにはじき、最後の抵抗を試みる。なお、白64で130オサエは、符号順に黒B以下白G、黒72で黒の大逆転となってしまう。
 白はソバコウがあるので落ち着いたもの。黒67のコウダテ(ただのヨセの手)に構わず、白68とコウを解消し、決着がついた。黒69以下、奥田三段は投げるに投げられず、70手近く粘ったが、ついに力尽きた。
 矢代六段は念願の女流名人挑戦へ王手をかけ、井澤秋乃四段(39)との決勝へ臨むことになった。(伊藤誠)
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 【棋譜欄外】78ツグ(65)、92同(1)、121同(9の下)