【第30期女流名人戦】準決勝第1局(下)井澤、半目勝負を制す - 産経ニュース

【第30期女流名人戦】準決勝第1局(下)井澤、半目勝負を制す

桑原陽子六段(左)ー井澤秋乃四段(第30期女流名人戦 準決勝)
 黒 六 段 桑原 陽子
 白 四 段 井澤 秋乃
 352手完、白半目勝ち
 【133~352】持ち時間各3時間
 先番(黒)6目半コミ出し
 桑原陽子六段(43)と井澤秋乃四段(39)の準決勝は、まれにみるデッドヒートで形勢は二転三転、最後まで目が離せなかった。
 前譜の最終場面では、井澤四段が桑原六段の猛攻を巧みにかわし、上辺の白大石をしのいだ。白は左辺の白数目を犠牲に、右辺に少なからぬ地を獲得したので、この取引は白に軍配が上がる。とはいえ、まだ下辺にはいろいろあやが残っており、ここからが勝負どころである。
 「白86(10十三)では参考図、白1の備えが必要でした。黒2以下強引に眼取りにきても白19でコウになり、白はそばコウが多いのでやれます」と解説の楊嘉源九段。
 白の逃げ切り勝ちが濃厚な局面で、桑原六段は下辺白の生死をにらんで妙手を放った。黒101(8十九)、103(7十九)の連打が決まった瞬間、「あ~ぁ」と嘆息をもらす井澤四段。局後に「この筋を見落としていました」と反省した。黒111(1十八)まで左下隅の白地が黒地と化しては、「盤十差で黒勝ちですね」と解説者は断定した。
 ところがこれから黒のミスが重なって、最後は半目勝負になるというから、碁は難しい。
 白128(18十五)のハネに対し、桑原六段は気合で実戦の黒129(18七)、131(18八)と頑張ったが、白に右下隅を荒らされ、かえって損をした。
 楊九段は「黒129では普通に黒130(18十六)オサエなら、黒のリードは揺るぎません」という。
 延々と半コウ争いが続く中、ついに決着を迎えた。黒205(19十七)のコウ取りが敗着となった。「先に黒207(1十七)、白206(1十五)と白のコウダテを1コウ消しておけば黒のコウツギで終局。黒がぴったり半目勝ち」と解説者。桑原六段のうっかりミスを惜しんだ。
 好局を落としたショックは大きく、桑原六段は感想戦も早々に引き揚げた。一方、井澤四段は通算3度目(女流棋聖戦、女流本因坊戦)の挑戦者決定戦に進み初の挑戦者を目指す。(伊藤誠)
 【棋譜欄外】146ツグ(36の上)、179同(58)、195コウ取る(33)、198同(192)、200ツグ(33)、205コウ取る(169)、208同(136)、211、214各同、215ホウリコミ(193)、216取る(199)、217コウ取る(169)、220同(136)、223同(169)、225ツグ(212)、226コウ取る(136)、229同(169)、232、235、238、241、244、247、250各同、252ツグ(169)
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