十段戦開催地、普及イベント熱気

マンスリー囲碁
吉原由香里六段(左)が講師を務めた親子入門教室=3月21日

 第56期十段戦五番勝負第2局が3月22日に埼玉県戸田市で初めて行われた。川越や熊谷、川口市などで、タイトル戦が開催されるなど囲碁に熱心な地域でもあり、大盤解説会には約120人が訪れた。終局後は、2勝目をあげた井山裕太十段(28)と、敗れた村川大介八段(27)による感想戦に聞き入った。

 対局前日は、「戸田市囲碁フェスタ」が開催され約100人の愛好家がマイケル・レドモンド九段(54)ら6人の指導碁を受けた。親子入門教室も実施され、約50組が参加。同市文化スポーツ課は、「子育て世代が多い。親子のふれあいを深めるとともに、礼に始まり礼に終わる囲碁は、子供の成長にも良い効果があると思う」と企画意図を説明する。指導に定評がある吉原由香里六段(44)は、囲碁初心者の小学生らにルールを説明。母親と妹(6)と参加した山下仁子(にこ)さん(10)は、「図書館の本で少し勉強してきた。石を取るのが面白かった。これからも続けたい」と楽しそうに話していた。

 とはいえ、将棋と比べ囲碁の知名度が低いのが課題。井山十段よりも将棋の藤井聡太六段(15)を知っていると答えた参加者が多く、吉原六段は「(井山十段は)囲碁界で初めて国民栄誉賞を取ったんです。覚えておいてね」と、苦笑いした。

 日本棋院の埼玉県支部連合会の貴堂資彦会長は、「プロ棋士に大勢来ていただくのは、囲碁普及の貴重な機会」と話す。藤井効果で爆発的な人気を得た将棋に追いつき追い越すため、地道な取り組みが続く。(伊藤洋一)

▼井山十段の3連覇がかかる囲碁タイトル戦を間近で観戦できます。

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