元バレーボール選手・川合俊一(5) 東京五輪までにもっと広がれ

話の肖像画
川合俊一さん (春名中撮影)

 〈バレーボール引退後に出合ったビーチバレーボール。その魅力に引き込まれ、以来30年近く、普及に挑んできた〉

 今、五輪ではビーチバレーがすごく人気なんです。2012年のロンドン五輪では最も人気の高い競技の一つになり、観客数は延べ42万人にも上りました。ビーチではなく、バッキンガム宮殿にも近いロンドン中心部のホース・ガーズ・パレードに砂を運び込んで設営したコートで、熱戦が繰り広げられました。

 米国のみならず欧州、南米でも人気で、ブラジルのリオデジャネイロ五輪(16年)でも大勢の観客を集めました。

 でも、日本ではインドアのバレーボールに比べると知られていない。現在は、インドアのバレー選手がビーチバレーの選手に転向するパターンがほとんどですが、2つの競技は要領が違いますから、子供のころからビーチバレーをやっている、というケースがあってもいいわけです。

 そのような若い世代の人たちにやってもらおうと、国民体育大会の種目にして日本全国に普及を図りたいと頑張り、ようやく昨年から正式種目になりました。

 ビーチバレーは今は日本では浸透しているとはいえませんが、数十年後にはかなり流布した競技になっているかもしれません。そのときを見据え、今、布石を打っておかなければなりません。

 〈各方面にスポンサーをお願いしたり、テレビでコメントしたりと、筋道立てて話す、その発信力は相当なものだ〉

 しゃべるのは得意ではないんですが、実家がとんかつ屋ですからね。

 子供のころから、自分の家に知らない大人がお客さんとして来るんです。お客さんが来れば「いらっしゃいませ」と迎えて注文を取ったり、材料の大きな肉を仕入れて自転車の荷台に載せて運んだり、出前もしていました。出前の集金に行くときはタイミングを考えないと、「今、お金ないよ」と言われてしまいます。

 子供が大人と話してお金をもらうって、大変なことです。だから、大人としゃべることは全然平気なんです。

 〈リオ五輪のビーチバレーでは男女とも日本は出場を逃した。20年の東京五輪は開催国として出場枠があり、選手も意気込んでいる〉

 東京都品川区の潮風公園がビーチバレーの会場になります。品川区は、これまで駅前に砂を運び込んでのフェスティバルなど、地域の皆さんに親しんでもらえるイベントを開催してくれています。

 ビーチバレーは「夏の海辺で楽しむもの」というイメージがありますが、世界の多くはビーチではなく街中や室内で行っています。季節や場所に制限があると、広がりません。日本でも交通の便のいい所に室内のビーチバレーコートができるようになればと願っています。

 東京五輪を2年後に控え、やらねばならないことはたくさんあります。「日本ビーチバレーボール連盟会長」という立場は責任が非常に重いのですが、さらに先の目標を目指して頑張ります。(聞き手 小川記代子)=次回はAI技術を駆使する阪大教授の関谷毅さん