受動喫煙対策 全面実施は32年4月 飲食店の工事期間考慮

 

 厚生労働省は、他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙対策の全面実施を平成32年4月1日にする方針を固めた。飲食店などの喫煙専用室の設置工事期間を考慮したためだ。同年7月から始まる東京五輪には間に合うが、当初予定していた31年9月に始まるラグビーワールドカップ(W杯)までの全面実施は断念した。

 受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案によると、学校、病院、児童福祉施設、行政機関などは今年から来年夏ごろまでを事前の周知期間とし、来年夏ごろから原則、敷地内禁煙とする。ただ、屋外で必要な措置が取られた場所では喫煙を認めるとしており、昨年3月に公表した当初案と異なり、例外を設けた。

 こうした施設以外で多数の人が利用する飲食店や事務所、ホテルなどの施設は原則、屋内禁煙としたが、喫煙専用室内での喫煙は認める。個人経営か「資本金5千万円以下」で、「客席面積100平方メートル以下」の小規模の飲食店は「喫煙」「分煙」などの標識を掲示すれば喫煙を認める。

 喫煙専用室に関する予算や税制上の措置も講じる方針で、飲食店が喫煙専用室を整備する場合、助成する。経営改善に向けて設備投資を後押しするための「経営改善設備」を取得した場合に適用される特別償却や税額控除に関し、喫煙専用室設置に必要な器具や備品も対象にする。

 これに関連し、国のがん対策の方向性を定める「第3期がん対策推進基本計画」に「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙対策を徹底し、本基本計画の計画期間中(平成29年度~34年度)において、望まない受動喫煙のない社会をできるだけ早期に実現することを目標とする」と明記することも判明した。

 基本計画は昨年10月に閣議決定したが、健康増進法改正案がまとまらなかったため、受動喫煙に関する目標を明記しなかった。今回、目標を盛り込んだ上で再度閣議決定する予定だ。