ウナギが大不漁の恐れ 前年同期のわずか1% 値上がり必至、取引規制も

 
ウナギの稚魚のシラスウナギ

 絶滅危惧種ニホンウナギの稚魚シラスウナギが今期は極度の不漁で、国内外での漁獲量が前期の同じ頃と比べて1%程度と低迷していることが13日、複数の関係者の話で分かった。

 漁は4月ごろまで続くが、このまま推移すれば過去最低の漁獲量となりかねない。品薄で今夏のウナギがさらに値上がりするのは必至で、かば焼きは食卓からますます縁遠くなる。資源保護のため来年のワシントン条約締約国会議で国際取引の規制対象とするよう求める声も高まりそうだ。

 シラスウナギは毎年11月ごろから翌年4月ごろを中心に、台湾や中国、日本などの海岸に回遊してくる。

 海外の状況に詳しい業者によると、最初に漁が始まる台湾の今期の漁獲量は、前年の同じ時期と比べ100分の1程度に低迷。中国でも同レベルだという。

 国内で比較的早くシラスウナギ漁が始まる鹿児島県によると、漁が解禁された昨年12月10日からの15日間の漁獲量はわずか0・5キロ。43・4キロの漁獲があった前期の1%ほどにとどまった。宮崎県は漁獲量を公表していないが「今期はかなり悪い」(水産政策課)状況。関係者によると前期の1%程度でしかない。

 水産庁によると、平成28年は11、12月の2カ月間で約6トンのシラスウナギが国内の養殖池に入れられたが、今期はまだゼロ。「漁の始まりとして良くないのは確かだが、これから漁が本格化する。今後の推移を見ないと何とも言えない」(栽培養殖課)という。

 昭和35年ごろは200トン前後あった日本国内のシラスウナギ漁獲量はその後急減し、平成25年漁期は5トン余と過去最少を記録。その後は年15トン前後で推移している。減少は河川の環境破壊や乱獲が原因とされるが、海流や海水温によって回遊量や時期が変動することもあり、詳しいことは分かっていない。

【用語解説】シラスウナギ

 ウナギの稚魚。ニホンウナギの場合、太平洋のグアム島周辺で生まれ、海流に乗って日本沿岸などに回遊、河川に上る直前のものをいう。形は小さなウナギだが色が透明に近いため、この名がある。国内で採捕したり、輸入したりしたシラスウナギを育てた養殖物が、日本のウナギ消費のほぼ全てを占める。乱獲や環境破壊による減少が目立つ一方、価格が高騰しているため密漁や密輸が横行しているとの指摘がある。