伝統と憲法意識 …式典準備委初会合 

天皇陛下譲位
天皇陛下の譲位と皇太子殿下の即位に伴う式典準備委員会の初会合に臨む菅義偉官房長官(右)、宮内庁の山本信一郎長官(左)ら=9日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)

 9日に始まった皇位継承をめぐる政府の式典準備委員会では、天皇の政治関与を禁じた憲法を念頭に、近代初となる天皇陛下の譲位関連の儀式のあり方が焦点となる。皇太子さまの即位関連儀式に関しては、伝統を踏襲しながら「平成」に倣うとみられるが、規模や経費の縮減も課題となる。

 宮内庁はこれまで、過去に譲位した天皇の譲位の儀式の調査を重ねてきた。ただ、関係者は「過去の例は参考にするが、そのまま採用はできない」と話す。

 天皇が譲位したケースは過去58例あるが、譲位の儀式は天皇と皇太子がともに立ち会い、代理者が「宣命(せんみょう)」と呼ばれる天皇の意向を代読する形が取られてきた。今回の譲位は陛下のご意向ではなく、昨年6月に成立した特例法に基づく。陛下のお考えが改めて公に語られることは憲法に抵触する恐れがあるため、儀式では宣命は行わない方向で検討される。譲位の儀式を国事行為とするかも議論される。

 即位関連の儀式のうち、平成では(1)三種の神器のうち剣や璽(勾玉=まがたま)を新天皇に引き継ぐ「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」(2)三権の長らに即位を宣言する「即位後朝見の儀」(3)国内外に即位を宣明する「即位礼正殿の儀」(4)パレードを行う「祝賀御列の儀」(5)饗宴(きょうえん)の儀-が国事行為として行われた。

 宮内庁によると、同庁の山本信一郎長官は9日の初会合で、即位関連儀式について「平成を踏襲するのが基本」と発言。また、即位礼正殿の儀と、新天皇が初めて行う新嘗祭(にいなめさい)「大嘗祭(だいじょうさい)」の日程は皇族方のご負担を念頭に一定期間、離すよう主張した。即位礼正殿の儀は来年10月、大嘗祭は平安期以降「二の卯」の日に行われてきたことを重視し、来年11月14日を軸に調整される。

 平成で計7回行われた饗宴の儀は回数を減らすなど簡素化も図られるとみられる。大嘗祭は平成では公的な皇室行事扱いとし、費用を宮廷費から支出したが、今回も同様の位置づけが確認される見通し。

 このほか山本長官は初会合で、秋篠宮さまが皇嗣となられたことを示す儀式の必要性についても言及、今後の検討課題となった。