大嘗祭は来年11月14日軸 宮内庁提案へ 「即位の礼」は分離、10月に

天皇陛下譲位
1990年11月22日、大嘗祭「悠紀殿供饌(ゆきでんきょうせん)の儀」のため純白の祭服で悠紀殿に向かわれる天皇陛下(左)=皇居・東御苑

 新天皇となる皇太子さまが初めて執り行う新嘗祭(にいなめさい)「大嘗祭」(だいじょうさい)について、宮内庁が来年11月14~15日を軸に検討を始めたことが5日、分かった。国内外に広く即位を宣明される「即位礼正殿(せいでん)の儀」を中心とする「即位の礼」は大嘗祭と分離する形で同10月に行う方向。菅義偉官房長官をトップとする譲位・即位関連儀式の日程などを検討する組織で、宮内庁側が提案するとみられる。

 即位の礼と大嘗祭は、明治期に皇位継承に関する法令を定めた「登極令(とうきょくれい)」(昭和22年廃止)で秋から冬の間に行うと定めていた。大正は即位の礼が11月10日、大嘗祭が同14日と近接する日程で挙行。昭和も同様のスケジュールが組まれた。いずれも京都で行われたため、参列する関係者への配慮もあったとされる。登極令が廃止された平成は11月12日と22日に、それぞれ執り行われている。

 一方、明治期までは多くの事例で、即位の礼と大嘗祭が別の時期に行われてきた。即位の礼(近代以前の即位式)は即位から数カ月以内が大半を占めるのに対し、大嘗祭は平安時代の儀式書「延喜(えんぎ)式」で、新天皇の即位が7月以前ならその年に、それより後なら翌年と定められていたためだ。

 こうした過去の事例も踏まえ、宮内庁は当初、来年4月1日にご即位の場合は、同月中に即位の礼、11月に大嘗祭というスケジュールを検討。「同年に日本で実施される20カ国・地域(G20)首脳会議など国際会議の前のお披露目が望ましい」(宮内庁幹部)ことも背景にあった。その後、陛下の4月30日譲位、皇太子さまの5月1日ご即位が決まったため、改めて庁内で再検討を行った。

 その過程で、大嘗祭は近世までの慣例で旧暦11月の2回目の「卯の日」に挙行されてきたことから、新暦の「二の卯」にあたる来年11月14日を軸とする案が浮上。一部に例年、新嘗祭を行う同月23日を推す声もあり、調整を進める。

 即位の礼は、5月中は勲章関連行事が続くため困難という認識で一致。一方、平成では即位の礼に伴う「饗宴(きょうえん)の儀」が計7回、大嘗祭では「大饗(だいきょう)の儀」が計3回実施されており、新天皇、皇后両陛下や皇族方へのご負担にも配慮し、即位の礼と大嘗祭は一定の間隔をあけて執り行う。政府の会議体では陛下の譲位の儀式、秋篠宮さまが皇嗣(こうし)となられたことを示す儀式のあり方も検討される。

【用語解説】大嘗祭と即位の礼

 大嘗祭は新天皇が即位後に最初に行う新嘗祭で、皇位継承において最も重要な儀式。例年の新嘗祭を行う皇居内の「神嘉殿」とは別に「大嘗宮」を新設。新天皇が新穀を供えて神々とともに食し、国家・国民の安寧を祈願する。即位の礼は新天皇が即位したことを神々や歴代天皇、国内外に示す主要儀式「即位礼正殿の儀」と関連儀式・行事。平成の「正殿の儀」は2年11月12日に挙行。続いて「祝賀御列の儀」が行われ、天皇、皇后両陛下が皇居・宮殿から赤坂御所までパレードされた。