陛下の「最後の日々」を撮影 スムーズな代替わりの狙いも

天皇陛下譲位

 天皇陛下の譲位日が8日に閣議決定したのを受け、皇太子さまへのご公務の引き継ぎなどに向けた動きも加速しそうだ。今春からは陛下の地方訪問、宮中行事、宮中祭祀(さいし)に“密着”する形で、お姿をカメラで撮影。30年のご活動の集大成を記録する一方、宮内庁側には、代替わりをスムーズに行いたい狙いもある。

 11月23日に皇居内で行われた最重要の宮中祭祀、新嘗祭(にいなめさい)。たいまつの炎に照らされる中、陛下が宮中三殿に付属する神嘉殿の廊下をゆっくりと進まれるのを、宮内庁嘱託のカメラが捉えていた。陛下が80歳の傘寿を迎えられたのを機に平成25年にも一度撮影されたが、改めて撮り直したという。

 嘱託カメラは今春以降、祭祀以外にも皇居内や地方訪問先での行事などあらゆる場面で、報道機関の取材位置とは別に、より近距離で撮影。側近の一人は「天皇としての最後の日々を、ご活動の記録とともに残している」と話す。

 宮内庁によると、陛下は譲位後、象徴としての全ての公務を皇太子さまに譲る意向を持たれている。宮内庁は陛下の体調などに配慮し、譲位前から皇太子さまが代理を務められる形も模索するが、陛下は譲位日まで公務を全うするお考えで、実際の引き継ぎは譲位と同時期になるとみられる。

 こうした中で、代替わりに伴い、陛下を支える「侍従職」から新天皇の皇太子さまを補佐する新「侍従職」への事務作業の引き継ぎに、嘱託カメラの映像が役立つとの見方もある。「書類や口頭で伝えるよりも、映像で所作を見た方が一目瞭然のことも少なくない」(宮内庁関係者)。

 昭和から平成への代替わりの際、新旧侍従職の間であつれきが生じたことも念頭にあるとみられ、別の関係者は「準備期間がある今回の代替わりでは失敗が許されない」と強調する。