譲位日程決定 平成あと1年5カ月…ご学友らの声 「穏やかな時間を」「寂しい気持ちも」

天皇陛下譲位
秋篠宮さまの誕生日を祝うため、赤坂御用地に入られる天皇陛下=11月30日夜、東京・元赤坂

 天皇陛下が平成31年4月30日に譲位、翌5月1日には皇太子さまが即位されることが決まった。「平成」が幕を閉じるまで残り約1年5カ月。人々は陛下が歩まれてきた日々に思いをはせ、まもなく訪れる新たな時代に期待を込めた。

 軽井沢のテニスコートで出会われた天皇、皇后両陛下。お二人のために電話を取り次いだ、天皇陛下のテニス仲間、織田和雄さん(82)=東京都=は「象徴天皇がどうあるべきかを一心に考え、国民のことを思い行動されてきた。テニスを通じて身近にいさせていただいた者として、ありがたいと思っている」と話す。

 陛下が譲位の意向を示されたことについては「病気となった昭和天皇の名代として沖縄を訪問された際のご体験が背景にあるのではないか。代理ではなく本物の天皇が行くことにこそ意味があるというお気持ちから、ご自身の、もしものときのことを考えられたのだろうと思う」と推し量る。

 今年5月にテニスをともにした際の陛下は「晴れ晴れとした笑顔をされていた」という織田さん。譲位後は「お好きなテニスや研究をなさる時間をもっていただきたい」と話した。

 お心おもんぱかり

 「もっと早く世代交代をしたかったのではないか」と語るのは学友、明石元紹(もとつぐ)さん(83)。陛下が譲位の意向をにじませたビデオメッセージを公表された昨年8月から1年4カ月を経て、ようやく皇室会議が開かれたことに「長くかかりすぎた。遅すぎる」と陛下の胸の内をおもんぱかった。

 陛下が「象徴天皇」として務めを果たされてきたことには「これまで忙しくされてきたので、譲位後は穏やかな時間、楽しい日々を過ごしてほしい」。新天皇となる皇太子さまには、雅子さまとともに「次世代の国際親善」を築いていただきたいと期待をかけた。

 陛下の前立腺がん手術を取り仕切った日本対がん協会の垣添忠生(ただお)会長(76)は「陛下は極めて誠実で、科学的な思考の方。高齢となり、全力で公務をできなくなることが不安だったはずで、譲位の日が決まることは喜ばしい」と目を細めた。医師の視点からは、譲位後に重責から解放されるのは良いことだが、「頭脳への刺激が急に減ることで、精神的な活力に影響しないか」との懸念も。「新天皇との二重権威と言われない範囲で、何かお仕事してもらうことはできないだろうか。徐々にペースダウンしていかれる方法を周囲は考えるべきだ」と指摘した。

 被災地から感謝

 両陛下は11月16日、鹿児島県の屋久島を訪れ、平成27年5月の噴火災害により一時離島を強いられた口永良部島(くちのえらぶじま)の住民と懇談された。当時、4歳と2歳だった娘を連れて避難生活を送った寺田仁奈(にな)さん(36)は、「長女が4月から、小学校に通い始めたことをお伝えすると『良かったですね』と笑顔を向けられた。お二人の言葉一つ一つが温かく、島民のことをずっと気にかけてくれていたのだなと感じた」と振り返る。譲位については「寂しい気持ちもあるが、お年を考えれば、ゆっくりと過ごしていただくことも大事だと感じる」と語った。

 漁師の畠喜人(よしと)さん(60)は、「ご高齢となり、訪問先で体調を崩されるようなことがあった場合の周囲に及ぼす影響なども気にかけておられたのでは」と推測。その上で「譲位後も元気なお姿を見せていただければ」と思いを込めた。

 また、昨年11月に満蒙(まんもう)開拓団の歴史を伝える長野県阿智村の「満蒙開拓平和記念館」を訪れた両陛下を先導した寺沢秀文副館長(63)は「満蒙開拓団に思いを寄せていただき、帰り際には『こういった歴史があったことを語り継いでいってください』と声を掛けてくださった」と振り返り、「長い間、ご苦労さまでしたという思いだ。これからはゆっくりと休んでいただきたい」と語った。