PR

GQ JAPAN GQ JAPAN

ドン ペリニヨンを28年間作った男の日本酒とは--富山発「IWA」

 シャンパーニュをつくり続けた醸造家、リシャール・ジョフロワが日本酒をつくった。ワイン・ジャーナリストの柳忠之によるレポート。

その他の写真を見る(1/4枚)

ジョフロワの日本酒

 偉大なるシャンパーニュ「ドン ペリニヨン」を28年の長きにわたって造り続けた男、リシャール・ジョフロワ。2年前、醸造最高責任者の地位を後進に譲り、第一線を退いた彼には、極秘裏に進めていたプロジェクトがあった。それは富山における酒造り、「IWA(岩)」プロジェクトだ。

 彼はなぜ、日本酒造りを思い立ったのか。ドン ペリニヨンの最高醸造責任者に就任して以来、幾度となく日本を訪れ、たびたび日本酒を口にする機会を得たリシャール。日本酒の複雑な醸造工程に興味を持ち、その多様な風味に魅了され、無限の可能性に気づいたらしい。

 以前、ある日本人のワイン醸造家からこんな話を聞いたことがある。「ワインは原料ブドウで品質の8割が決まってしまうが、日本酒は造り手の技術がほぼ8割。醸造家にとって日本酒ほど情熱を駆り立てられる酒はない」。

 シャンパーニュもまた、通常のワインを造った後で、アッサンブラージュと呼ばれるブレンド作業や発泡を得るための瓶内2次発酵、それに瓶熟成など複雑な工程をたどる醸造酒。シャンパーニュを極めた醸造家が醸造酒の頂点ともいうべき日本酒に挑戦したくなるのも、至極当然のことである。

富山県立山町白岩から流れる雪解け水
富山県立山町白岩から流れる雪解け水
その他の写真を見る(2/4枚)

アッサンブラージュ

 このプロジェクトにはリシャールのほかにふたりのクリエーターが参加している。日本が誇る世界的建築家の隈研吾とプロダクトデザイナーのマーク・ニューソンだ。とくに「IWA」における隈の存在は大きく、日本酒造りの土地として富山をすすめたのもじつは隈。富山には昔から彼と懇意にしており、リシャールのアドバイザーとして適任な「満寿泉」の桝田酒造当主・桝田隆一郎がいた。

 そして最初に生み出されたプロダクトがこの「IWA 5」である。ブランド名の「IWA」は、隈研吾の設計により来春完成予定の蔵が置かれる立山町の白岩地区に由来。あくまで偶然だそうだが、白岩と聞いてシャンパーニュ地方のチョーク(白亜)土壌を連想したワイン好きは少なくあるまい。「5」はバランスと調和を示す普遍的な数であり、酒米、産地、酵母、きもと、発酵方法など酒造りと密接に結びつく5つの要素を意味すると言う。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ