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英国製SUVならではの魅力とは? レンジローバーPHEV試乗記

現行レンジローバーは初代から数え4代目。PHEVモデルは2018年から導入された。
現行レンジローバーは初代から数え4代目。PHEVモデルは2018年から導入された。
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筋金入りのセンスのよさ

 レンジローバーのステアリングを握ると、決まってゆったりと寛いだ心持ちになる。これはドイツ車では滅多に味わうことのできない感覚だ。

 なぜだろう?

 都会的なセンスが光るそのキャビンが乗り手の心を落ち着かせる作用があるのは間違いないところ。茶系の濃淡が組み合わされた試乗車のインテリアも、シンプル&クールでモダンなのに、少し控えめで出しゃばるところがない。その佇まいは、サビル・ロウで仕立てたスーツをさり気なく着こなすイギリスのビジネスマンを思い起こさせる。

電子制御エアサスペンションは標準。
電子制御エアサスペンションは標準。
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 イギリス人はよくunderstatement(控えめなこと)だといわれる。もちろん興が乗れば羽目を外すこともあるけれど、基本的には大げさなこと、ひと目につくことを避ける傾向が強い。ジョークにしても、自分を蔑むようなことは言っても他人を見下すようなことはネタにしない。そうした姿は、私の目にとても品よく映る。

 そのせいかどうか、クルマのインテリア・デザインもどこかを突出させることなく、全体のまとまり感を重視する。たとえばギラギラした光り物や、どーんと目を引くようなギミックは一切なし。それよりも全体がきれいに統一されたデザインを好む。突出したところがないから、デザインがドライバーを刺激することもない。統一性のあるカラー・コーディネーションのおかげでキャビン全体が品よく映える。しかもレザーなどの染色が秀逸。

ボディは全長×全幅×全高:5005mm×1985mm×1865mm。
ボディは全長×全幅×全高:5005mm×1985mm×1865mm。
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 ドイツ車や日本車のなかには、ときどき「おや?」と思わせるようなツートン・カラーのクルマがあるけれど、レンジローバーにはこれがない。イギリス人らしい筋金入りのセンスのよさだと思う。

 レンジローバーの着座姿勢も、そうしたドライバーの心持ちに影響しているかもしれない。もともとはコマンド・ポジションといって、周囲を見下ろすような視点によって、どこに危険が潜んでいるかわからないオフロード走行のリスクを下げるために考え出されたドライビング・ポジションだけれど、この少し高めの着座位置がドライバーに精神的な余裕をもたらし、落ち着いた心持ちにさせてくれるのかもしれない。

上質なレザーをたっぷりつかったインテリア。オーディオはメリディアンのサラウンド・サウンド・システムが標準。
上質なレザーをたっぷりつかったインテリア。オーディオはメリディアンのサラウンド・サウンド・システムが標準。
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電動化はレンジローバーにぴったり

 走りの味も、心を落ち着かせてくれるものだ。たとえばアクセルペダルに触れただけで猛然と発進したり、ステアリングを軽く切っただけで大きく向きを変えようとしたりする過敏なクルマとは大違い。実はエンジンだって十分にパワフルだし、コーナリング性能だっておもいのほか高いのに、操作に対する反応が穏やかでドライバーの心理をいたずらに刺激しない。そんなところもレンジローバーの持ち味だと思う。

スライディングパノラミックルーフは6万1000円のオプション。
スライディングパノラミックルーフは6万1000円のオプション。
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 そんなレンジローバーにプラグ・イン・ハイブリッド(PHEV)モデルが加わった。

 PHEVとは、バッテリーに充電した電力でも、エンジンが生み出すパワーでも走れるクルマのこと。いわば自動車界の二刀流だが、外部電源で充電した電力により走行するときには電気自動車(EV)とおなじでCO2を排出せず、環境に優しいクルマとされる。

 いっぽうでバッテリーの電力を使い果たしたらガソリンを燃料に走り続けられるので長距離ドライブもお手のもの。そしてこの電気で走るPHEVの能力が、私にはレンジローバーにぴったりのキャラクターのように思えるのだ。

搭載するエンジンは1995cc直列4気筒DOHCターボ(300ps/5500~5900rpm、400Nm/2000~4500rpm)。
搭載するエンジンは1995cc直列4気筒DOHCターボ(300ps/5500~5900rpm、400Nm/2000~4500rpm)。
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 電気のチカラで走行するとき、レンジローバーのエンジンは停止している。だから無粋なノイズや振動とは無縁。これがまた、レンジローバーに乗っているときの心の余裕をさらに豊かなものにしてくれる。

 ちなみにこの日はバッテリーが80%ほど充電されている状態から走り出して、42km走ったところで電力を使い果たした。100%充電だったら50kmは行けたかもしれない。ちなみに国の調査によると、日本のドライバーのおよそ半数は1日の走行距離が20~30kmというから、40~50kmも走れるレンジローバーなら、ほとんどのドライバーがガソリンを補給することなく平日をやり過ごせそうな気がする。

 しかも一般的にいって電力で走ったほうがガソリンよりも“燃料代”は割安なので、PHEVは環境に優しいだけでなく経済的でもある。一軒家に住んでいて自宅に充電設備を用意できるユーザーであれば、なおさらPHEV仕様の検討をお勧めしたい。

 いっぽう、レンジローバーPHEVに搭載されるガソリン・エンジンは2.0リッター直列4気筒のガソリンターボ、とスペック的には控えめであるものの、エンジン単体の最高出力は300psと400Nmと余裕たっぷり。

 しかもモーターのパワーを加えたシステム出力は404psで、0-100km/h加速を6.8秒でクリアするほどの俊足の持ち主。さらに嬉しいのは、たとえエンジンがかかっても優れた静粛性が保たれる点。おそらく家族や友人との会話に熱中しているときはエンジンのことなどまったく気にならないだろう。

 レンジローバーとPHEV。そういえば、最新の文化やテクノロジーを伝統的な価値と無理なく融合させてしまうのも、昔からイギリス人が得意としてきたことのひとつだった。

 文・大谷達也 写真・安井宏充(Weekend.)

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