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定番こそ至高! 改めて考えるモトグッチV7の魔力

(C)Studio Pointer
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 まずそのスタイリングを眺めて欲しい。とりたてて豪華な装備はないものの、すっと風景に溶け込むような自然な佇まい。例えばヤマハのSRなどが近しいマシンといえるかもしれない。流行に左右されない完成されたスタイリングといえるだろう。

 じつはこのV7、2008年のデビューの後にV7IIへ、そして2017年にV7IIIへと細かくブラッシュアップされている。すべてを所有した先輩いわく「ほとんど全部一緒だよ」とのことだ。

 テストライダー目線でそれを評価すれば、着実に、確実に完成度が高まっており、現代の道路状況にあったポテンシャルがきっちりと備わってきているといえる。エンジン内部やミッションの変更(5速→6速)のほか、フレーム回りも改良を加えている。とくに最新モデルはよりパワフルでスムーズな印象。

 それは環境問題への対策がメインテーマではあったのだと思われるが、しっかり出力も向上しているところが大きな特徴である。

ビッグツインと呼ばれるV型2気筒エンジンを積んで登場したV7。その構想は1950年代から練られ、その性能からイタリア警察でも使用された。伝統は現在も受け継がれている。
ビッグツインと呼ばれるV型2気筒エンジンを積んで登場したV7。その構想は1950年代から練られ、その性能からイタリア警察でも使用された。伝統は現在も受け継がれている。
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必要以上ではなく、必要最低限でおさめる美学

 といいつつも、さほど変わらないと思ってしまうのは、すべてに共通して感じられる味わいの一貫性によるところも大きいだろう。基本的には同じ車体を用いながら、いくつかの仕様をラインナップし、バリエーションが選べるのも嬉しいところである。

 その乗り味は現代のマシンが忘れかけていた牧歌的な優しさに溢れている。エンジンから伝わる心地良い鼓動感。速く走りたい強く願う場合は、パワーに不満を感じることもあるかもしれない。しかし、不思議とそんな思いが涌いてこないのがV7である。ゆっくり走らせたときのテイストにも満足出来る楽しさがあるからだろう。

1968年当時販売されていたV7。初代は700ccのV型エンジンが搭載されており、軸寸法といった基本性能はほぼ現在と同じ。この当時のパーツの中には現在も使用できるものがあるというから驚きである。
1968年当時販売されていたV7。初代は700ccのV型エンジンが搭載されており、軸寸法といった基本性能はほぼ現在と同じ。この当時のパーツの中には現在も使用できるものがあるというから驚きである。
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 かといって走行性能が低い訳ではない。例えばワインディングロードに持ち込めば、スリムな車体を生かして、スイスイと意外な軽快さをみせる。18インチサイズのフロントホイールと安定志向のディメンションによって反応も穏やかだ。

 運動性能に飛びぬけたものはないのであるが、この把握しやすいキャラクターによって、スポーツライディングに熱中することが出来る。限界性能は高くなくとも、その状況がわかりやすい。昔のモトグッチにあったクセのようなものが殆んど感じられず、それでいて素直すぎない手応え=味のようなものがある。

 流行に左右されないのはスタイリングだけではなく、その走りのキャラクターも同様。そしてそれは飽きることのない類のものである。

 最新スペックのマシンはそれはそれで魅力がある。しかし、本当に自分のニーズに合っているか? と考えた時、じつは不必要なものが意外と多いことに気が付く。使わなければ良いという考えもあるけれど、必要な要素を必要なだけ備えた素朴な味がV7にはある。そんなピュアな面が浮気性の先輩を惹きつける理由なのではないかと思う。

 文・鈴木大五朗 写真・ピアジオグループジャパン

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