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フェアレディZの存在価値とは? 50周年アニバーサリーモデル試乗記

 いや、むしろそちらのほうが向いているというべきか。ただし、大舵角では反力が弱くなるのでドライバーが自分でステアリングを戻さなければいけなくなる。些細な話であるが、軽く年代を感じさせるポイントではある。

グランド・ツアラー型のエンジン

 フロントに搭載されるVQ37VHRエンジンは、もはや最新世代とは言いがたい3.7リッターV型6気筒自然吸気エンジンであるが、1500~4000rpmでしっかりとしたトルクを生み出してくれるうえ、静かでスムーズ。

 反対に、6000rpmを越えると、まわり方が息苦しくなってバイブレーションも増え始める。したがって、ここでも低中回転域でゆるゆると走らせるのが得意のグランド・ツアラー型といえる。

現行フェアレディZは2008年に登場。かつてのフェアレディZと異なり2シーターのみの設定。
現行フェアレディZは2008年に登場。かつてのフェアレディZと異なり2シーターのみの設定。
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トランスミッションは6MTのほか、マニュアルモード付き7ATも選べる。
トランスミッションは6MTのほか、マニュアルモード付き7ATも選べる。
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シフトノブフィニッシャーは50周年記念バッチ付き。
シフトノブフィニッシャーは50周年記念バッチ付き。
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 試乗車のギアボックスは6速マニュアル。操作力は微妙に重めであるが、シフト・ストロークが短めなうえ、ゲートも明確で小気味いいギアチェンジが楽しめる。しかも、スウィッチひとつでシフトダウン時、自動的にエンジン回転数をあわせてくれるブリッピング機能もついているので、かつて懸命に練習したヒール&トーをいまさら思い出す必要もない。

 クラッチは、感触が平板なため最初はつながるタイミングがわかりにくいかもしれないが、踏力自体は重くないので多少の渋滞路であれば苦にならない。「久しぶりにMTに乗ってみるか!」という向きにはうってつけかもしれない。

メーターパネルはアナログタイプ。平均燃費や航続可能距離などを表示するマルチインフォメーション・ディスプレイはモノクロ表示。
メーターパネルはアナログタイプ。平均燃費や航続可能距離などを表示するマルチインフォメーション・ディスプレイはモノクロ表示。
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インパネ上部に設置された3眼サブメーター(デジタル時計、電圧計、油温計)。
インパネ上部に設置された3眼サブメーター(デジタル時計、電圧計、油温計)。
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駆動方式はFRのみ。JC08モード燃費は9.1km/L。
駆動方式はFRのみ。JC08モード燃費は9.1km/L。
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古くたっていいじゃないか

 ただし、インターフェイス系は明確に古い。ナビのディスプレイは小さく、スイッチ類のデザインや操作方法もなんとなく古くさい。だからといって実用性が不足しているわけではないが、最新の操作系になれきっている若い担当編集者はこれだけでクルマ自体が少々古いと思ってしまったそうだ。

 でも、これはこれでいいじゃないかと思う。乗り心地は悪くなく、直進性は良好で、エンジンも低回転域であれば十分に力強くてスムーズ。つまりロング・クルーザーとしての資質は十分に備えているわけで、引退した団塊世代が長年連れ添った奥様と一緒に小旅行に出かけるという用途にはぴったりのような気がする。タイトな2シーターのキャビンも、ぜいたくなクルマに乗っているという感慨を覚えさせてくれるはずだ。

スウィッチ類の多いインテリア。純正ナビゲーション・システムはオプション。
スウィッチ類の多いインテリア。純正ナビゲーション・システムはオプション。
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50周年記念ロゴ入りの電動調整式シート。シート表皮は本革×スウェード調ファブリックのコンビタイプ。
50周年記念ロゴ入りの電動調整式シート。シート表皮は本革×スウェード調ファブリックのコンビタイプ。
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ラゲッジルーム容量は235リッター。
ラゲッジルーム容量は235リッター。
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 さて、冒頭のエピソードに話を戻すと、あるとき、件のフェアレディZを洗車機に入れる仕事が私のもとに転がり込んできた。

 まさに千載一遇のチャンスである。私は喜び勇んで、でもそのことが誰にもばれないように注意しながら運転席に腰掛け、Zを発進させた。

2代目フェアレディZは、2.0リッターのL20型直列6気筒エンジンのほか、2.8リッターのL28型直列6気筒エンジンも選べた。
2代目フェアレディZは、2.0リッターのL20型直列6気筒エンジンのほか、2.8リッターのL28型直列6気筒エンジンも選べた。
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 しかし、微低速でステアリングを切ろうとしてもビクともしない。当時の私はそれなりにノンパワーアシストのクルマに乗り慣れていたが、それにしてもフェアレディZの操舵力はケタ違いに重かった。巨大さゆえに堅牢なことで知られたL20型直列6気筒エンジンの重さを、私はそのとき間接的に思い知ったような気がした。

 いまから40年ほども昔の話である。

 文・大谷達也 写真・安井宏充(Weekend.)

ボディサイドのストライプステッカーは50周年記念モデル専用装備。
ボディサイドのストライプステッカーは50周年記念モデル専用装備。
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ボディカラーはホワイト×レッドのほか、シルバー×ブラックも選べる。
ボディカラーはホワイト×レッドのほか、シルバー×ブラックも選べる。
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