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価値がわかるひとにはプライスレスなスバル--即日完売した WRX STI TYPE RA-Rの魅力とは?【試乗記】

 とはいえ、スバルにはスバルをスバルたらしめている心臓、2.0リッター水平対向4気筒ターボのEJ20型ユニットがある。わけてもタイプRA-RにはS208とおなじ「EJ20バランスドBOXER」が埋め込まれている。

SUBARU WRX STI TYPE RA-R|スバル WRX STI タイプRA-Rダンパー&スプリングは、「TYPE RA-R」のために専用開発された。
SUBARU WRX STI TYPE RA-R|スバル WRX STI タイプRA-Rダンパー&スプリングは、「TYPE RA-R」のために専用開発された。
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 STIのリリースによると、レースカー同様に回転精度にこだわったエンジンで、量産比で重量公差を50%低減したピストンとコンロッド、回転バランス公差を85%低減したクランクシャフト、おなじく回転バランス公差を50%低減したフライホイールとクラッチカバーを、ひとつひとつ選択して組み込んでいる。

 想像してみてほしい。納入された数多の部品をひとつずつ計測している職人の姿を。思わず、井上陽水の「人生が二度あれば」が、浮かんでしまう。顔のシワは増えていくばかり……。いやもっと若い人がつくっているのかもしれないけれど、職人的労働こそ尊ばれるべきである。職人的といえば、ユーチューブで見られるSTIのNBRチャレンジはどこか職人の集団を思わせて感慨深い。

 EJ20バランスドBOXERは329ps/7200rpmと432Nm/3200~4800rpmを発揮する。ノーマルは308ps/6400rpmと422Nm/4400rpmで、これにしたって2.0リッターの過給機付き内燃機関としては第1級の数値だけれど、RA-Rのボクサー4は800rpmも余分にまわる。回転精度にこだわった成果だろう。

 パワーアップは排気系と吸気系、両方の進化の賜物という。内部構造を一新したマフラーの採用により、排気システムの通気抵抗を量産車比約60%低減した。結果、出力向上だけでなく、レスポンスに優れた加速、さらにこもり音の少ない伸びやかなサウンドの愉しみも生み出している、とSTIのホームページに書かれている(リリースだったかも)。

 また、ボンネットからの空気流入経路を補強するシュラウド(覆うもの。幕)を取り付け、空気の流れを確実なものとし、インタークーラーの冷却効果を高めた。これは「私たちがレースで獲得した成果のひとつ」だそうである。

SUBARU WRX STI TYPE RA-R|スバル WRX STI タイプRA-Rインパネの加飾パネル(ハイグロスブラック)は専用装備。
SUBARU WRX STI TYPE RA-R|スバル WRX STI タイプRA-Rインパネの加飾パネル(ハイグロスブラック)は専用装備。
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 わからない人はわからないかもしれないその魅力とは?

 異様なのは、異例に振動が少ないため、ちっとも猛々しくない。WRCとニュルブルクリンクで鍛えられし機械のみがもつ血(は流れていないけれど)のようなものが流れているはずなのに、左右のピストンが互いの力を消し合う、別名「ボクサー・エンジン」の特性によって直列4気筒のような振動を発生しない。ボクサーといっても矢吹丈みたいな野生児ではなくて、緻密なホセ・メンドーサ・タイプなのだ。

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