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フレンチ・スポーツはどうしてこんなに魅力的なのか?--アルピーヌA110とルノー メガーヌR.S.を乗り比べる!

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 走りの違いは明確だ!

 そのうえでルノーはA110とメガーヌR.S.に別々のキャラクターを与えた。

 端的にいえばA110はファン・トゥ・ドライブ優先で、いっぽうのメガーヌR.S.はサーキットでのラップタイムも重視しているようなのだ。

 A110にはノーマル、スポーツ、トラックのドライビングモードが用意されていて、スタビリティコントロールの設定もそれぞれ異なるが、ノーマルもしくはスポーツではまず横滑りしないリアタイヤが、トラック・モードで振り回すとかなり思い切りのいいスライドを披露する。それでも軽量・低重心なA110をコントロールするのは比較的容易で、これがA110を操る醍醐味でもあるのだ。

 いっぽうのメガーヌR.S.はかなり頑張ったつもりでもリアタイヤはしっかりグリップしたままでスタビリティ・コントロールの介入を示す警告灯も点かない。言い換えれば、メガーヌR.S.は4輪のタイヤが持つグリップ力を極限まで引き出そうとしているように感じられるのだ。

 こうした味付けを実現するうえで大きな役割を果たしているのが、メガーヌR.S.に採用された4輪操舵機能の「4コントロール」である。4輪操舵というと、後輪を前輪と逆の方向に操舵して小まわりを可能にするための装備と思われがちであるが、実は高速コーナリング時には前輪と同じ方向にわずかながら操舵し、タイヤの横方向のグリップをフルに引き出すという役割もある。メガーヌR.S.がハードコーナリングでもリアタイヤがスライドしにくいのは、このためだろう。

ALPINE A110|アルピーヌ A110A110が搭載するエンジンは1798cc直4DOHCターボ(252ps/320Nm)。
ALPINE A110|アルピーヌ A110A110が搭載するエンジンは1798cc直4DOHCターボ(252ps/320Nm)。

 いっぽう、軽量・低重心を実現したA110は前述のとおりリアタイヤをスライドさせてもコントロールしやすく、楽しい。そうしたA110の持ち味を生かすために、ルノーは敢えてこのモデルに4コントロールを採用しなかったのではないか。

 実際にはメガーヌR.S.とA110とではリアサスペンションの形式が異なるとか、レイアウトの都合でA110には4コントロールを搭載できなかったという事情があったのかもしれないが、それでも基本レイアウトの優れたA110に操る楽しさを残したルノーの思想は、私には理に適ったもののように思える。

 しなやかな足まわりをベースにしながら、A110とメガーヌR.S.という異なる個性を見事に作り分けたルノー。各メーカーが苦心する「高性能」と「快適性」の両立という難題を独自の発想で軽々と乗り越えてしまった彼らのクルマ作りは実にユニークであり、また痛快でもある。

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