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サッカーと移籍金――誰のために“移籍金”はあるのか?

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サッカーと移籍金――誰のために“移籍金”はあるのか?

 日本では、最初に加入したクラブで選手生命を終えることに一種の美学、美徳のようなものがあると思うのだが、その感覚は非常にドメスティックだ。子供時代からバルセロナで過ごしたイニエスタですら、力の衰えを感じてもそこで選手生命を終えることなく日本にやってきたのだ。おそらく日本でなくても、選手としてプレー出来るのであれば中東や中国、アメリカへも行っていたかもしれない。

現在はバイエルンで活躍するコロンビアのハメス・ロドリゲス(Photo by Matthias Hangst/Bundesliga/DFL via Getty Images )。 現在はバイエルンで活躍するコロンビアのハメス・ロドリゲス(Photo by Matthias Hangst/Bundesliga/DFL via Getty Images )。

 この夏、俗に言う“移籍市場”が閉まるまでの約1カ月のあいだ、私はフランス優勝メンバーのひとり、ベンジャマン・パヴァールの動向に注目したいと思う。くるくるヘアの色白、文学青年のような佇まいのサイドバックだが、現在はドイツ・シュツットガルトの所属だ。シュツットガルトは今季のCL(UEFAチャンピオンズリーグ)、EL(UEFAヨーロッパリーグ)に出場しないため、パヴァールにとっては小さく弱すぎるかもしれないが、メルセデスという巨大なスポンサーを持つ安定したビッグクラブだ。

 そんな彼が今、ドイツ国内でも「バイエルンに行くのではないか?」など、騒動になり始めている。パヴァールの始動は8月14日とのことで、それまでは本人抜きの外野がわいわいと噂を楽しむことになるだろう。それもまたフットボールの楽しみのひとつである。

了戒美子 りょうかい・よしこ 1975年生まれ。サッカーをメインにスポーツ全般を取材。ドイツ・デュッセルドルフを拠点に興味次第でどこへでも。「スポルティーバ」(集英社)、「ナンバー」「ナンバーウェブ」(文藝春秋)などに寄稿。

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