産経ニュース

将棋が好きだ、というのが根底にないと、最後のところで頑張れない 淡々と王道を行く「ゆとり世代」名人、佐藤天彦

GQ JAPAN GQ JAPAN

記事詳細

更新


将棋が好きだ、というのが根底にないと、最後のところで頑張れない 淡々と王道を行く「ゆとり世代」名人、佐藤天彦

将棋ソフトとのたたかいをめぐって

「2016年は初めて名人位をとったという意味でもものすごく印象に残る年でありました。それこそ一気に取材の量も増えたし、立場もガラリと変わりましたし。ただ2017年もこれはこれでものすごい年で、名人の防衛戦もありました。名人として初めて電王戦でコンピューターとやったと。これもまた印象に残ることでした」

名人対最強AIの対決! まさに歴史の教科書に残る大事件だった。

「普通だったら、初めて名人位を獲得した人の最初の課題は防衛です。とったはいいけど、防衛する力はあるのか、ということが(世間から)見られる。そして今回は、同じ時期にコンピューターと対局したらどうなるか、ということも加わった。ほぼ並行して電王戦と名人戦をやる、とそういう状況に放り込まれたんです。そういう状況になったときに、まったく違う相手なので、どういうふうに気持ちをもっていくかがむずかしかったですね。それをいかに乗り越えるか、ものすごく大きな課題だった」

AI将棋ソフトPonanzaとの戦いは、4月に第1局が日光東照宮で、5月に第2局が姫路城で行われた。現役の名人とコンピューター、それに最後の電王戦ということもあって、将棋とは縁のないメディアも多数押し寄せ、将棋ファンにとどまらない国民的な注目を集めた。

「そもそも目の前にいる相手がピカピカのアームのロボットですからね。そういう意味では普通ではできないようなすごい経験をさせてもらいました」

結果は『GQ』でも既報の通り、名人の2連敗に終わった。

「名人位を背負って機械と戦ったところもありましたから非常にプレッシャーもありましたし、負けた時も(プレッシャーが)あったんですけど、ただ、そこでうろたえても仕方がない。負けたとしても代表者として堂々として振り返ることが大事だということは思ってました。いずれは人間が勝てなくなる分野のひとつでしょうから。これがどういうことなのかを伝えるのが大事なのかなと」

コンピューターは感情がないから、「ヘボ将棋  玉より飛車をかわいがり」なんてことがないと言われる。

続きを読む

このニュースの写真

  • 将棋が好きだ、というのが根底にないと、最後のところで頑張れない 淡々と王道を行く「ゆとり世代」名人、佐藤天彦