これぞ新BMW流モテパターン? BMWの新型SAV、X2がやってくる! - 産経ニュース

これぞ新BMW流モテパターン? BMWの新型SAV、X2がやってくる!

 「なんだよ、全然使えるじゃん!」
 リスボン郊外で見るなり、嬉しい裏切りというか予想外の手応えを得てしまった。それはいち早く乗ってきた新しいBMX X2。
 全長4.3m台のいまどきのコンパクトSUVで中身はBMWの2シリーズ・アクティブツアラーと同じFFプラットフォーム。とはいえその鮮やかなガルバニックゴールドのイメージカラーやポップな「M Sport X」モデルの無塗装風バンパー開口部に、ファッション優先の匂いをバリバリ感じたが、いざ乗り、使ってみるとまったくもってよく出来た実用ハッチバックの範疇に入るのだ。
 それどころかFRレイアウトの現行BMW1シリーズ」やスタイルに特化しまくったトヨタCH-R」などより全然使えそう。
 具体的にいうと、リアシートは身長176cmの小沢コージが前シートに座ったポジションで、そのまま真後ろに座ってもヒザ前に余裕はあるし、頭も天井低めだが普通に見渡せる。 
 なによりラゲッジススペースが圧倒的で標準で470リッターとライバルを完璧凌駕! 価格帯こそ違えどほぼライバルのトヨタ「CH-R」が318リッター、ホンダ・ヴェゼルが393リッター、ガチンコライバルのアウディQ2でさえ405リッターとぶっちぎり。というか470リッターってヘタな大型セダンのトランクに匹敵するから。 
 オマケに広い床下収納があって仕切りの床上ボードを2分割に折って仕切りとして使えるわ、後席シートバックを424で倒して長尺物を運べたりとやたら便利。まったくもってカッコだけのいまどきスタイリッシュSUVじゃないのだ。
 最大のフェイクポイントというかキーは、スタイリングだ。試乗する前に何度かネットニュースでX2を見たが、一見いまどきのSUV。スタイルに特化したアウディQ2や、トヨタC-HRに近い匂いを感じる。 
 ところが実物を見るとデザイン統括のトーマス・シチャ氏が「特別なことはさほどしていません」というようにボディサイドのウネリやボンネット回りなどは、既存のFFBMWと変わりない。 
 ただしポイントがあって前述したパンパー回りの素材マジックで軽く見せているのと、キドニーグリルを通常のFF系より底辺を伸ばして台形に見せているのと、なによりグラスエリアが極端にペッチャンコ。
 真横から見ると特に良く分かるが、サイドウィンドウがクーペ風に後に行くほど下がっている上、なにより絶対的に薄く、いわばチョップトップ風であり、屋根だけ潰したデフォルメ系デザインになっている。この頭の軽い、奇妙な凝縮感に僕らはイマドキ風だと騙されてしまうわけ。
 かたや間近に見ると、実物は思ったよりデカい。全長×全幅×全高は4360×1824×1526mmと普通のコンパクトハッチと比べても十分な長さと幅を持つだけでなく、リアから見ると上までガッチリ横幅があるのが分かる。
 インテリアも基本は兄弟車X1のガワ違い。グレードにもよるが上質なバックスキン風シート表皮と明るめのインパネを与えられているが、BMW王道のスポーツテイスト。
 名作クーペ「3.0CS」譲りのピラーエンブレムにも騙されるが、グラスエリア以外はしっかり実用的に出来ているのだ。
 最後に騙されちゃうのは走り味だ。骨格は前述したように最新のBMWFF系プラットフォーム。2シリーズ系や同骨格のミニに乗った人ならなんとなく想像がつくと思うが、このFFはわりとステアリングフィールを出すためか、サスペンションが硬めに出来ている。コーナリングすると足が左右に少しつっぱる感じ。そこは自然なフィールをモットーとするFRレイアウトの伝統的BMWに少し負ける。 
 だから同じテイストがコチラにもあるのかと思いきや走り始めから乗り心地がかなりいい。デコボコの海岸の道はゴツゴツ感を感じたが、比較的滑らかなアスファルト路面なら、今までのFFBMWで感じたことないしなやかさ。コーナリング中のステアリングの効きも自然で、不自然なつっぱり感も抑えられている。 
 最後になるが加速力もいい。今回乗ったの4WDモデルの「xDrive20d」は、190ps2リッター ディーゼルターボ+8ATを搭載。これが下から400Nmの十分なトルクを発揮して速い速い。燃費も欧州基準でリッター21km台と十分以上。
 日本仕様は140ps192ps2リッター ガソリンターボがメインとなるようだが、それでも加速は十分なはず。とにかく見た目を上回るマジメな使い勝手であり、走りなのだ。
 見た目ナンパで、中身は硬派。またまた新しいBMWの成功パターンを見たような気がしたのは、小沢だけじゃないんじゃなかろうか。