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手間暇惜しまない…4月クールドラマ、本物志向が受ける時代

フジテレビ系(カンテレ)「大豆田とわ子と三人の元夫」
フジテレビ系(カンテレ)「大豆田とわ子と三人の元夫」
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 民放各局の4月ドラマが、ゴールデンウイークに向けてさまざまな話題となっている。昨年来、新型コロナウイルス禍で混乱が続いたドラマ制作の現場も、撮影ノウハウが定着してきた感がある。ドラマの劇中でコロナ禍そのものを扱う時期は過ぎたとの見方もあり、識者は「こうした状況だからこそ、いっそう本物志向のドラマが求められている」と指摘する。(文化部 兼松康)

 戸惑いも…好発進

 昨年の「半沢直樹」、そして1月期の「天国と地獄~サイコな2人~」など、好調な話題作が続くTBSの「日曜劇場」枠(日曜午後9時)。4月ドラマとして、平成17年以来となる「ドラゴン桜」が始まった。前作の15年後を描くが、第1話では、前作の「東大へ行け」から「絶対東大なんか行くな」と真逆のせりふが話題を呼んだ。

 前作は学園ドラマの要素もあって明るい雰囲気だったが、今作はややシリアスに、まったく違ったトーンだ。ネット上では「別作品になった」などとギャップに戸惑う声もある。だが、ビデオリサーチによると、初回の世帯視聴率は14・8%と好発進。今後に期待する声も当然大きい。

 TBSの三島圭太編成部企画総括は、火曜午後10時、金曜午後10時のドラマ枠も含め、「おかげさまで多くの方に(ドラマを)見ていただけているので、3ドラマともに話題になれば」と期待を寄せる。

 フジテレビは4月早々に、月曜午後9時「イチケイのカラス」と木曜午後10時「レンアイ漫画家」の放送を開始した。

 「イチケイ…」は、裁判官が主役のドラマ。「こんな裁判官いるの」「裁判官は現場で捜査しない」などというネット上の突っ込みの声もあるが、いかにもドラマらしいエンターテインメント性で、それを支持する声も多い。

 すでに両ドラマとも最終話まで撮影を終えており、コロナ禍による不測の事態があったとしても、放送が中断されることはなさそう。同志社女子大の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)は「ゆとりを持って、しっかりと時間や労力を惜しまずに作ることは重要」と話し、こうした撮影態勢を評価する。

 日本テレビは、4月改編で「ドラマ3枠の強化」をポイントのひとつに掲げた。「恋はDeepに」(水曜午後10時)は、綾野剛と石原さとみの共演によるラブコメディーだが、枝見洋子プロデューサーは「毎回、仕掛けや謎を詰め込んでおり、リアルタイム視聴と配信による繰り返し視聴につなげていける」と自信を見せる。

 「コントが始まる」は、菅田将暉、仲野大賀、神木隆之介、有村架純ら、平成5年生まれの同世代俳優がそろった青春群像劇。お笑いトリオ「マクベス」を解散するかどうかの動向に注目が集まり、各俳優の演技を絶賛する声も多い。

 テレビ朝日は、おなじみの「特捜9」「警視庁・捜査一課長」がそれぞれ4、5期目の連ドラに突入。一方、木曜午後9時の「桜の塔」も警察モノだが、単なる刑事モノとは一線を画した、警視総監になるための権力争いを描いている。榊原誠志コンテンツ編成局総合編成部長は、「今までの警察ドラマを覆すような内容」と力を込めた。昨年の「竜の道」でも見られた玉木宏のダーティーぶりを絶賛する声などが聞かれ、今後にも注目だ。

 テレビ東京は、看板報道番組の「WBS(ワールドビジネスサテライト)」の放送時間が午後10時(月~木)に繰り上がったことで、月曜午後10時のドラマ枠が同11時6分開始に。その「珈琲いかがでしょう」は、中村倫也が演じる主人公が、珈琲を通じて他人の人生に寄り添う姿などに、「ホッとする」などの声も上がっている。

 過程をどう描くか

 コロナ禍がまだまだ続き、人々の心が晴れにくい昨今だが、そんな風潮からか、「1月期のドラマはハッピーエンドが多かった」とは同志社女子大の影山教授。ただ、「安直なハッピーエンドだと視聴者はついてこない。そこに至るまでをどのように描くかが大切」と強調する。

 その意味で、影山教授は名脚本家が筆を執る、日テレ「コントが始まる」(金子茂樹脚本)や、フジ系「大豆田とわ子と三人の元夫」(坂元裕二脚本)に注目。特に後者は、「坂元氏がどう描き、それを演者がどう演じるか。坂元ワールドにどっぷり漬かりたい」と話す。また高視聴率でスタートした「ドラゴン桜」には視聴率も含めての期待を寄せ、「説教臭くなってはダメだが、若い世代は目をさますようなことも言ってほしがっている。難しいことだが、ドラマだけでなく、エンタメでも教育でも当てはまる」と説明。「それが本物志向として、見る者に伝わる。本物のためには手間暇を惜しまず作ることが大切だ」とした。

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