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【主張】緊急宣言と文化 芸術の担い手を守りたい

 3度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を受け、東京や大阪など4都府県で文化、芸術、芸能などの興行が相次いで中止になった。美術館や博物館、映画館の多くも休館している。

 危惧するのは、この1年あまり疲弊してきた日本文化の体力だ。

 文部科学省は美術展など文化芸術イベントのキャンセルに最大2500万円を支援する制度の拡充を発表した。対象を団体単位から公演単位にする。経済産業省もコンサートや公演などが中止になった団体に、キャンセル費などの穴埋めとして最大2500万円を補助する制度の対象を広げる方針を打ち出している。

 きめ細かい対応で業界への影響を緩和するのが狙いだ。興行主は一息つけるかもしれないが、末端のフリーランスや個人にまで届くかどうか注視したい。

 最初の緊急事態宣言は昨年4月だった。解除後、夏頃から公演やイベントが再開された。人数制限や消毒・換気の徹底などの対策に慣れてきたところに今年1月、2度目の緊急事態宣言が出た。

 ぴあ総研が2月下旬に公表した新型コロナ禍によるダメージに関するデータがある。音楽・演劇・映画・スポーツ・その他(展覧会、文化イベントなど)の昨年2月~今年1月の売り上げ消失額は推計で約8600億円に上る。売り上げは、令和元年比で約75%減だ。これでは従事者の生活が成り立たない。

 支援策も打ち出されたが、文化庁の昨年度の支援制度は複雑で給付に時間がかかるなど課題が多かった。助成は受けられても、3分の1または4分の1の自己負担が厳しいとの切実な声もあった。

 一方、自粛を受け昨年5月ごろから始まった電子チケット制の有料型オンラインライブ市場は12月までで約448億円と急成長した(同総研)。ジャンルも音楽だけでなく演劇やお笑い、伝統芸能へと広がる。コロナ下での収益形態として発展が期待できそうだ。

 「人や場所にも支援をお願いしたい。例えば、舞台に照明や音響が必要なように文化にも不可欠な人材、いわゆるエッセンシャル・ワーカーがいるのです」というのは、文化施策の評価などを行う「大阪アーツカウンシル」の中西美穂統括責任者だ。

 人への支援が文化の支援につながることを心にとどめたい。

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