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文楽の妻たちが生み出すポップなイラストや切り絵の魅力

文楽や落語のプログラムなどにイラストを描いているイラストレーターの中西らつ子さん=大阪府箕面市(南雲都撮影)
文楽や落語のプログラムなどにイラストを描いているイラストレーターの中西らつ子さん=大阪府箕面市(南雲都撮影)
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 身もだえするような男女の色恋や忠義の心、悲劇が胸を打つ親子の離別…。人間のさまざまな「情」を色濃く描き出す文楽の魅力発信に、劇場グッズや初心者や子供にも親しみやすい解説イラストが一役買っている。それらを手掛けているのが、人形遣いや三味線弾きなど「技芸員」の妻たちだ。アーティストの顔も併せ持ち、女性ならではの感性で切り取る文楽の世界は、美しくポップで愛らしい。

(田中佐和)

悪役も愛嬌いっぱいに  

 4月に国立文楽劇場(大阪市中央区)で行われた文楽公演。第3部の観客に配布された上演演目「傾城(けいせい)阿波の鳴門」の解説リーフレットは、物語のキーマンとなる巡礼の娘、おつるのかわいらしい表紙イラストが目を引いた。あらすじを説明した漫画も分かりやすく工夫されていた。

 イラスト・漫画は、人形遣いの吉田玉助さんの妻で、イラストレーターの中西らつ子さん(52)が描いた。

 「傾城阿波の鳴門」は親子の悲劇の物語。3歳で別れた両親を探して徳島から巡礼の旅に出たおつるは、大坂で偶然両親と再会するが、娘の将来を案ずる母は名乗れず、娘と気付かぬ父が過って死なせてしまう。

 中西さんは、田舎で育ったおつるをどこかあか抜けないながらも、純朴さを感じさせる優しい顔だちに描き、物語の悲劇性を丁寧に漫画に落とし込んだ。

 中西さんの描くキャラクターは、輪郭が丸くてほのぼのとした雰囲気が持ち味で、悪役ですら愛嬌(あいきょう)が漂う。

 イラストは子供にも人気で、平成14年から子供向けの「夏休み文楽特別公演 親子劇場」のチラシやグッズなども担当。夫の玉助さんは「写真だと人形自体には表情がないので、イラストが文楽に対してやわらかい印象を与え、とっつきやすくしてくれていると思う」と話す。

 舞台の人形と齟齬(そご)がないよう、キャラクターの衣装や小道具は玉助さんが監修する。描いていて分からない部分があると、「この人形の後ろ姿を写真で送ってほしい」と玉助さんに頼むこともあるという。

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