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唐組「ビニールの城」再演 コロナ禍に通じる「悪魔的な予言の力」

「再演といっても、いっかい全部壊してから作っているので、前と全然違うものが出来上がっている」と話す久保井研
「再演といっても、いっかい全部壊してから作っているので、前と全然違うものが出来上がっている」と話す久保井研

 昭和末期の唐十郎の戯曲「ビニールの城」が5月14日から、劇団唐組によって東京都新宿区の花園神社境内で上演される。薄いビニール膜を隔てないと他者へ気持ちを伝えられない腹話術師が登場する物語。コロナ禍の現在に通じるものがあるといい、演出の久保井研は「唐さんの小説は黙示録のようだ。悪魔的な予言の力がある」と語る。(三宅令)

 唐自身の劇団では令和元年に初演され、今回は再演。劇団員が自ら建てる「紅(あか)テント」と呼ばれるテント劇場で、他人と「なま」の関わりを持てない腹話術師の青年と、かつてアパートの隣に住んでいたビニ本(成人向け雑誌)モデルの女、その夫の3者3様の思いが交差する様子が描かれる。

 唐の物語は一見、荒唐無稽だ。1つの事柄にさまざまなイメージを重ねて多層的に描かれているからこそ、数回読むだけは飲み込めないことが多い。つかみどころのない物語を、いつもどのように立体化しているのか尋ねると、「唐さんの本が役者の肉体を通して現れたものの交通整理をしているだけ」と話す。

 入団して30年以上、演出にたずさわって25年以上が経過する。唐が倒れた後、平成24年からは座長代行を務める。「最初のころはずっと『唐さんならどうするか』を考えた。でもそれじゃ納得いかなくなった。登場人物を細かく振り付けする形になって、それは違うなと」

 今は言葉が役者の肉体を通ったとき、どういう「なま」の化学反応を起こすのか、それを手探りしているという。「毎回、修行中」と話し、「でも、唐さんの本を誰より読んでいることが力になっている。俺より読んでいるという奴がいたら出てこい、と思う」と自負をのぞかせる。

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