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【紫綬褒章】文楽三味線 鶴澤燕三さん(62)

文楽三味線の鶴澤燕三氏=19日午後、大阪市中央区(須谷友郁撮影)
文楽三味線の鶴澤燕三氏=19日午後、大阪市中央区(須谷友郁撮影)

 政府は令和3年春の褒章受章者を28日付で発表した。受章者は666人(うち女性181人)と19団体。29日に発令される。学問や芸術分野で功績を残した人に贈られる紫綬褒章には、人形浄瑠璃文楽三味線演奏家の鶴澤燕三(えんざ)=本名・田中紳一=さん(62)、グラフィックデザイナーの佐藤卓(たく)さん(65)らが選ばれた。

 紫綬褒章に選ばれた鶴澤燕三さんはこう話す。「義太夫節には人間のドラマがある。三味線を弾くのは全部おもしろく全部つらいが、客席の感動がモチベーションになります」

 本公演では太夫の最高峰、豊竹咲太夫(とよたけ・さきたゆう)さんと組んで物語のクライマックスである切場(きりば)を勤めている。

 「若い頃は切場に憧れたものです。でも、いざそうなると責任の重さにプレッシャーばかりです」

 国立劇場研修生から昭和54年、人間国宝だった先代鶴澤燕三に入門。平成18年に六世燕三を襲名。繊細かつ迫力ある音色で人物の心情や風景を描き上げる。

 26年に脳梗塞で倒れた。入院中、三味線を弾こうとして撥(ばち)が糸に当たらなかった。「やめるしかない」と思い詰めたことも。

 「幸い、家族をはじめ周囲のサポートで復帰できました。咲さん兄さん(咲太夫)が『大丈夫、大丈夫』とおっしゃってくださったことが大きかったですね」

 いまもリハビリは欠かさない。「その時はしんどくても後に自分の糧になる。体が続く限り三味線を弾き続けたい」(亀岡典子)

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