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【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)(16) サブカルと歌舞伎が拓く未来

 《令和元年8月、京都・南座で超歌舞伎「今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」が上演された。通常公演に加え、「リミテッドバージョン」として、これまで敵役で人気を博してきた澤村國矢(くにや)(紀伊国屋)が主役を務めた》

 イベントではなく、歌舞伎の興行としては初めてで、しかも南座という歴史ある劇場での上演だったのでとてもうれしかったです。そして座頭として、國矢さんには主役をぜひやってもらいたかったので「リミテッドバージョン」を設けました。國矢さんは一般家庭出身ということもあり、それまで歌舞伎の主役をやるチャンスがなかったんです。

 僕自身、父親がこの業界にはいなかったので苦労しましたが、そんななか、勘九郎の兄さん(のちの十八代目中村勘三郎、平成24年死去)とかいろいろな方に助けていただき、ご指導いただいた。そういう経験があったので、門弟や若手には「頑張れば歌舞伎でいい役をやれるんだ」という希望を持ってもらいたいという、僕なりのメッセージが込められているんです。

 昨年8月には、コロナ禍のため無観客の配信公演をやらせていただきました。南座と同じ演目でしたが、このときは僕が敵役で出演し、主役の忠信(ただのぶ)役は國矢さんと、超歌舞伎では殺陣を作ってくれている門弟の中村獅一(しいち)にお願いしました。最後は僕も早替わりで忠信になり、“三人忠信”で幕を閉じました。約24万人もの方が視聴してくれました。(聞き手 水沼啓子)

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