PR

エンタメ エンタメ

営業時短も「見返り」なく…苦境の映画館 埼玉

午後8時以降の上映を中止した「深谷シネマ」。館長の竹石研二さんは収入の維持に腐心している=埼玉県深谷市(内田優作撮影)
午後8時以降の上映を中止した「深谷シネマ」。館長の竹石研二さんは収入の維持に腐心している=埼玉県深谷市(内田優作撮影)

 新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発令で、営業時間短縮要請を受け入れた場合の協力金の支給対象は飲食店やカラオケ店に限られており、映画館などには「見返り」がない。事業者は、感染拡大防止への協力と収入維持のはざまで苦闘を強いられている。

 「このままでは4月以降はスタッフの給料を支払えなくなる…」

 年間約2万5千人が訪れ地域の文化拠点としても親しまれている埼玉県深谷市のミニシアター「深谷シネマ」館長の竹石研二さん(73)は、こう不安を口にする。

 埼玉県は現在、特措法に基づき「飲食店」と「遊興施設等(バー、カラオケボックスなど)」に営業時間短縮を要請している。これらの施設は、要請を受け入れた場合は1事業者につき1日当たり6万円の協力金を受け取ることができる。

 一方、映画館や劇場に対しては、特措法に基づく要請とは異なる「働きかけ」という位置づけで営業時間の短縮などを促しており、求めに応じても協力金の支給対象にはならない。

 宣言の再発令を受け、深谷シネマは13日から、おおむね午後10時ごろだった営業終了時刻を繰り上げ、午後8時以降の上映を中止している。

 芸術性の高い作品を中心に据えた夜の時間帯の営業は貴重な収入源だった。似たジャンルの作品を上映している施設の数が限られるため、遠方からもファンが足を運んでくるからだ。

 影響は営業時間短縮による減収だけではない。月1回程度、市外に出向いて開いてきた映画上映会も、イベントの開催自粛に伴って全てなくなった。

 協力金の支給対象外の映画館などに対する財政支援を訴える声は根強い。埼玉県の大野元裕知事は13日の記者会見で「影響がある場合はしっかりと対応すべきだ。国として考え方を整理すべきだ」と述べ、制度設計の必要性を訴えた。竹石さんは「国の決定を待っていては状況が厳しくなるだけだ」として、市に対してテナント料の補助を求めている。

 出口の見えない苦境が続く中、客を確保するための試行錯誤も繰り返している。客層の中心だった中高年だけでなく若者も呼び込もうと、主人公が若く感情移入しやすい青春映画なども上映作品に加えた。竹石さんは「若いカップルの姿も目立つようになってうれしい」と手応えを語った。(内田優作)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ