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【鑑賞眼】藤倉大・作曲オペラ「アルマゲドンの夢」 新国立劇場で世界初演

新作オペラ「アルマゲドンの夢」の舞台(寺司正彦撮影、新国立劇場提供)
新作オペラ「アルマゲドンの夢」の舞台(寺司正彦撮影、新国立劇場提供)

 英ロンドンを拠点に活動している作曲家、藤倉大(43)の新作オペラ「アルマゲドンの夢」全9場が15日、新国立劇場で世界初演された。同劇場が日本人作曲家に創作を委嘱したシリーズの第2弾。

 藤倉がオペラを手がけるのは同作で3作目。藤倉が今回、題材として選んだのは、2度の世界大戦前の1901年に執筆されたH・G・ウェルズのSF短編小説「世界最終戦争の夢」(原題「アルマゲドンの夢」)だ。

 台本は、藤倉が長年に渡って共同作業をしてきた英国のオペラ台本作家、ハリー・ロス。忍び寄る全体主義や大量殺戮(さつりく)への不安を描いた原作を脚色し、時代を超えて現代にも存在する脅威、そして人々の不安や愚かさを描き出した。

 音楽は聴衆の感覚に直接響き、藤倉がこの作品を通して伝えようとしたことを感じることができたのではないだろうか。壮大な叙事詩を目の当たりにし、思わず感涙してしまった。

 演出はザルツブルク音楽祭など世界のひのき舞台で活躍するリディア・シュタイアーで、映像や大きな鏡を使った斬新な演出に目を奪われた。自動小銃を手にした兵士役の新国立劇場合唱団のメンバーたちは、天使のような顔の仮面をかぶり、SF映画「スター・ウォーズ」に登場する白い装備を身に着けた「ストームトルーパー」のような扮装(ふんそう)で観客を楽しませていた。

 ラストのシーンで、子供の兵士がボーイ・ソプラノで歌い上げた「アルマゲドンの歌」はどこまでも澄んでいて、天に届くように響き渡った。そして最後の「アーメン」という祈りの言葉。そこに込められたのは希望、終末、最期の瞬間…なのか。恐らく、その解釈は、観客一人ひとり異なることだろう。

 11月15、18、21、23日、新国立劇場(東京都渋谷区)。03・5352・9999。(水沼啓子)

 公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。

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