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【鑑賞眼】帝国劇場「ビューティフル」 伝説的シンガーソングライターのビタミン・ストーリー

伝説的シンガーソングライター、キャロル・キングを演じる水樹奈々(東宝演劇部提供)
伝説的シンガーソングライター、キャロル・キングを演じる水樹奈々(東宝演劇部提供)

 「ア・ナチュラル・ウーマン」、「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」「タペストリー(つづれおり)」…1960年代の全米ヒットチャートを中心に伝説的シンガーソングライター、キャロル・キングの半生をたどるミュージカル。誰でも一度は聞いたことのあるメロディーばかりなので、肩の力を抜いて楽しめる。

 母の反対を振り切って16歳で作曲家デビュー。作詞担当の夫に裏切られたり、2人の子供を抱えて奮闘したりしながら、数々のヒット曲を世に出し、29歳で音楽の殿堂カーネギー・ホールに立つまでを描く。

 主要キャストは3年前の初演のまま。当時ミュージカル初挑戦だったキャロル役の水樹奈々は、パワーアップして帰ってきた。今月6日に第1子妊娠を発表したばかりだが、感情の揺れ幅を見事に表現して演じきった姿に、2人の子供を育てつつ夢をつかんだキャロルの強さが重なる。

 身勝手だが繊細な夫のジェリー・ゴフィンに伊礼彼方。単なる嫌なやつではなく、弱さを抱えた男性像として、シリアスな場面を引き受けた。

 ライバルの作曲家バリー・マンに中川晃教、そのパートナーの作詞家シンシア・ワイルにソニン。歌唱力の高さに加えて、2人の素晴らしく愉快な掛け合いが、劇中における一種の清涼剤となっている。

 剣幸演じる母、ジニー・クラインにはリアリティーがあり、武田真治はプロデューサーのドニー・カーシュナーを好演。他のキャストも、ドリフターズやシュレルズといった大物歌手やグループになりきった。

 清く正しい主人公が、苦労と努力の果てに成功をつかむビタミン・ストーリーなので、見終わった後はとにかく元気が出る。終演後、ある男性客の一言に深くうなずいた。「これで明日も頑張れそうだ」

 キャロルは平原綾香とのダブルキャスト。28日まで。東京都千代田区の帝国劇場。問い合わせは東宝テレザーブ、03・3201・7777。

 公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。

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