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【記者発】教養バラエティーに欠かせぬもの 大阪文化部・渡部圭介

大阪城公園内、豊臣秀吉の像が立つ豊国神社=大阪市中央区(竹川禎一郎撮影)
大阪城公園内、豊臣秀吉の像が立つ豊国神社=大阪市中央区(竹川禎一郎撮影)

 知的バラエティー番組をうたう関西テレビ放送制作の「所JAPAN」は、歴史好きの好奇心をくすぐるテーマも多いが、8月24日放送回で「誤解を招く部分があった」と、番組ツイッターで謝罪する問題があった。

 番組では大坂城から京都の豊国神社を経て、琵琶湖上の島に再移築された豊臣家の遺構を紹介した。城郭考古学者の千田(せんだ)嘉博・奈良大教授の説明が編集で省略され、城から直接、島に移ったかのような紹介に。千田教授がツイッターで「遺憾」「史実を曲げて伝えた」などと投稿し、番組側が謝罪した。

 豊臣家の変遷を語るために京都は欠かせない。限られた放送時間の中で取捨選択は必要だったろうが、ここは残してほしかった。分かりやすく見てもらうためだったとしても、正確な内容としっかりとした知識に裏打ちされた演出でなければ、教養バラエティーとはいえない。

 教養バラエティーの名物番組として思い出すのは、平成2~3年にフジテレビ系で放送された「カノッサの屈辱」だ。

 即席めんメーカー各社の競争を欧州の帝国主義の変遷を例にとって説明する、といった具合に、なかなか攻めた演出ながら、基本は教科書に書いてある史実を下敷きにしたつくりになっている。手元に教科書があれば、それを見るとパロディーの元ネタが分かる、という仕掛けだった。

 子供のころに見て、純粋に楽しんだが、元ネタが教科書に載っているだけに、歴史の勉強にも役立ったものだ。

 もう一つ、参考になる教養バラエティー番組として、各地の独立系放送局が共同制作している「戦国炒飯(チャーハン)TV」を挙げたい。

 戦国武将がキャバクラ店で女性店員に自慢話や愚痴をこぼす-という、こちらもバラエティー色豊かな演出なのだが、登場する武将が語る身の上話が極めて正確なのだ。紹介されるのが、あまり知られていないマニアックな武将ばかりというのも、歴史ファンにはうれしいし、作り手の歴史への敬慕が見てとれる。

 教養バラエティー番組の基本は、正しい内容に尽きる。もちろん、これは記事でも同じこと。楽しく見て、読んでもらうには、作り手自身の「教養」が問われている。

【プロフィル】渡部圭介

 平成13年入社。水戸、福島、京都の各総支局を経て大阪社会部で行政や警察を担当。29年に文化部。昨年9月から在阪放送局の取材を担当。

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