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【鑑賞眼】宝塚歌劇団花組「はいからさんが通る」 新トップお披露目 適材適所の再演

伊集院忍少尉(柚香光、左)との婚約に、反発する花村紅緒(華優希)だったが…(c)宝塚歌劇団
伊集院忍少尉(柚香光、左)との婚約に、反発する花村紅緒(華優希)だったが…(c)宝塚歌劇団

 花組新トップスターコンビ、柚香光(ゆずか・れい)と華優希(はな・ゆうき)のお披露目公演。2017年にこの2人で東京と大阪で上演し、あまりにも好評だったため今回、異例ながらトップお披露目公演として再演中だ。コロナ禍で兵庫・宝塚大劇場公演が当初予定より4カ月遅れの7月に開幕したが、その後、中断、再開と異例の経緯をたどっただけに、この東京公演はかつてないほど客席も熱気にあふれている。

 大正浪漫華やかなりしころの東京を舞台に、陸軍少尉・伊集院忍(柚香)とお転婆女学生の紅緒(べにお=華)との、波乱万丈の恋を描く。少尉のシベリア出兵に関東大震災と、数々の困難に阻まれながらも、2人が結ばれる結末は、やはり幸福感でいっぱいになる。

 大和和紀原作の漫画では紅緒が主役だが、脚本・演出の小柳奈穂子は、プロローグやシベリア出兵の群舞などで伊集院の見せ場を増やして構成。さらに良妻賢母を目指すだけの教育に反発する女学生の声を盛り込むなど、単なる恋愛物語ではない原作の魅力も伝えている。

 今回も初演の舞台が軸だが、大劇場向けに作品をスケールアップ。新たに付いたフィナーレでは、男役の群舞が軍服と燕尾服(えんびふく)の2パターンあり、日替わりで楽しめる。感染防止のため舞台上の人数を絞っているが、それを感じさせない精いっぱいのパフォーマンスで、宝塚健在を示した。

 柚香の少尉はお披露目にして、代表作の風格だ。笑い上戸の少尉と、憂いを帯びたミハイロフ侯爵との演じ分けも巧み。また紅緒役の華も、宝塚では珍しいじゃじゃ馬で酒乱のヒロインを、生き生きと演じている。長髪でクールな編集者、青江冬星役の瀬戸かずやほか、出演者が適材適所で舞台の完成度を押し上げた。

 小柳は過去、「shall we ダンス?」や「ルパン三世」など、映画やアニメ作品の舞台化を手掛けてきた。いわゆる「原作もの」を、宝塚の作品として見せる手腕に優れ、今回もそれを証明した。配役を選ぶ演目だが、宝塚の財産演目になるのではないか。

 11月15日まで、東京・日比谷の東京宝塚劇場。0570・00・5100。(飯塚友子)

 公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。

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