PR

エンタメ エンタメ

【鑑賞眼】「夏の夜の夢」新国立劇場 代役で若手日本人らに脚光

「夏の夜の夢」の舞台(新国立劇場提供、寺司正彦撮影)
「夏の夜の夢」の舞台(新国立劇場提供、寺司正彦撮影)

 コロナ禍で2月の「セビリアの理髪師」公演後、計8演目のオペラ公演が中止になった新国立劇場。8カ月ぶりにオペラ「夏の夜の夢」(ブリテン作曲)が10月4日、上演された。原作は、妖精の魔法で巻き起こる一夜のドタバタ劇を描いたシェークスピアの喜劇だ。

 入国制限措置により海外から指揮者のほか、外国人歌手7人の来日がかなわなくなり、公演約1カ月前に新キャストが決まった。通常、オペラ歌手は最低でも1年程度かけて本番に臨むので、異例の対応だ。振り付け家のレア・ハウスマンも感染予防を考慮し、共演者同士の距離を取るといった新演出で対応、演出の指導も海外からリモートで行った。

 タクトを執ったのはマーティン・ブラビンスに代わり、飯森範親。妖精王のオーベロンは世界的カウンターテナー歌手、藤木大地。2017年に日本人カウンターテナーとして史上初、オペラの殿堂「ウィーン国立歌劇場」に出演する実力派で、女声と見まごう高音と柔らかい声色で神秘的な世界を体現していた。

 河野鉄平(バス)はその英語力と表現力が買われ、急遽(きゅうきょ)パック役に配役された。シェークスピアによる英語のせりふを巧みに操り、演技も“異形もの”感を醸し出し、舞台映えしていた。

 パック役のほかも海外歌手のキャストを日本人が代役。タイターニアを平井香織(ソプラノ)、ライサンダーを村上公太(テノール)、ディミートリアスを近藤圭(バリトン)、ハーミアを但馬由香(メゾソプラノ)、ヘレナを大隅智佳子(ソプラノ)、ボトムを高橋正尚(バリトン)が、それぞれ務めた。

 オール日本人キャストとなったが、若手実力派にとってひのき舞台ともなった。とくに今回の舞台が新国立劇場デビューとなった高橋は、周囲の予想をはるかに上回る実力を見せていた。

 10月4、6、8、10、12日、東京都渋谷区の新国立劇場。(水沼啓子)

 公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ