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「表現者としての仕事」 片渕須直監督が「この世界の片隅に」新作を作った理由

 平成28年11月12日に63館という小規模で上映が始まったが、口コミで人気が出て、翌年2月には301館に拡大。210万人の観客を動員し、興行収入は27億円の大ヒットになった。

 片渕監督は29年、新たな場面を追加した“新作”を製作すると発表。それが「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」だ。

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 片渕監督は、2時間9分の前作に38分30秒の新しい映像を追加した。遊郭で働くリンに関するエピソードだ。原作にあったが、前作では上映時間の都合で割愛した。道に迷ったすずがリンと出会い、絵を描いてほしいと求められる。だが、リンはすずの夫、周作との間に子細がありそうだ。

 「リンさんとのエピソードが加わったことで、すずさんの感情の機微が観客に届くようになった。その結果、前作とは大きく意味合いが変わった場面もたくさんある。前作とは別物です」と語るのは、すずの声を演じた女優、のん(26)だ。

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 まさに新作は、すずやリンの心の動きに焦点を当てた。片渕監督は、「登場人物の心の形の中から、みなさんの心の形と似たものを探し出してほしい」と語る。自分たちと変わらぬ心をもったすずたちの頭上に焼夷(しょうい)弾が降ったのだと考えてほしいのだという。

 「戦争が、なぜ、いけないかを語ることが、僕たち表現者の仕事だからです」

 新作については、テレビアニメにして時間をかけて描くことも考えたが、「体力的に無理」と断念。「でも…」と片渕監督は首をかしげる。「新作を作ったのは、ただ、すずさんと別れ難かったからかもしれませんねえ」

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